第4話 猶予
「へ~~・・・って、行かねぇよ!」
「問答無用!カエシリウス様の怒りを喰らいたくなかったら来なさい!」
「だれだ?そのローマ時代っぽい人は。」
「宮廷最高魔法師よ!ついでにいうと私の自慢のお父さんかな。あんたに魔法を教えたアムールの師匠よ。ま、たかがアムールごときがお父様の一番弟子なんて信じられないけどね。」
こいつ、アムールと知り合いだったのか!?だから俺の情報も!!
今はムフフだし関係ないし、今回はゆるしておいてあげよう。
「お呼びになりましたか。カナティア様。今さり気なくバカにされた気がするのですか。」
「あ、ごめんね。で、それで、タグリアの地図はこれよ。」
「だ・か・ら・行かねえっつってんだろ!?そもそも強くなりたいと思っていないと強くなれないんなら、俺にとって意味ねえじゃんかよ!」
まったくふざけやがって!俺はまったり楽していきたいんだよ。
「じゃあ一つ聞くぞリク・・・お前はなにして生きていくんだ。仕事はどうするんだ・・・?」
「親父みたいなこと言いやがって・・・俺はカナティアの稼いだカネでだらだら過ごしたいんだよ・・・」
「生憎この国では働けないわね。」
ヒモ生活を夢見ていると、否定された。
「なんでだ?」
「ま、いろいろあるのよ。」
いろいろってなんだよと思ったが、ここは深く突っ込まないでおこう。
「そんなことより、リク、あなたの魔法は何?」
「そ、それは・・・・」
「それは?」
「パ、パンツを盗む魔法だよ!」
「っ・・・・・・・。あれって本当だったのか。あ、そう。」
ぼそぼそっとカナティアが呟いたが、聞こえなかった。
「気を取り直して。タグリアの地図はこれよ。」
「じゃあ、せめて1年くれ!そうしたら考えてやる。」
「そうね。準備することもあるだろうから、1年後、アムールと私とリクでこの広場に集合ね。」
「わかってるか?考えるだけだからな。」
クソっ、1年なんて言わず、2,3年後とでも言っときゃよかった。