第25話 カウントダウン 5-3
結構少ないです。
後ろの壁には皆が作ったカウントダウンカレンダーが飾ってあった。
もともと30枚あったのにあと数枚しかなかった。
今日はお別れ会。
「6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!」
一年生が大声で言うのを前にして涙を溢れさせるまどか。
「小1とあんまり関わってなかったよな。」
「まあ一年生は可愛いですから。」
「あれが6年後にはこうなるんだよな。」
「ならないことを祈りましょう。」
それぞれがお世話になった先生に花束を渡すときになると流石に正弘も涙を隠せなかった。後ろを向いて涙を拭くと笑顔で感謝の言葉を述べた。
「6年間お世話になりました。」
「中学行っても頑張れよ。」
もちろん新井ではない。
新井に感謝を述べる機会はこのあといくらでもある。だから今しか言えない先生に言おうと思った。
隣を見ると颯太も泣きそうな顔をしていた。彼の心にはどんな気持ちがつまっているんだろうか。
卒業まで、あと5日
「今日は9時に体育館に行って卒業式の予行をします。復習はしていると思うので一発でやれるように頑張りましょう」
「だいたい卒業式は一発で決まるんだよ。ただ卒業証書授与式のときあまりにひますぎて寝るんだよな。」
「そうなんですか。」
(あ、やべ。間違えてつい言っちまった。)
「ああ。先輩が言ってた。」
無理矢理言いつくろって違う話題に変えた。
卒業式の予行の時点で泣いている人もいた。
予行で泣いていたら本番もっと泣くぞと思いつつ、こうやってここで騒ぐのも最後かと思うと少し悲しかった。
卒業まで、あと3日