第2話 いじめの一端
評価、お願いします。
第1章に伝記、追加しました。
小6の春。小学校に向かって歩く少しおしゃれをした3人組。
言わずもがな。
正弘らである。
「ね、まさくん。今年の担任の先生誰かな?」
「さあね。多分新井先生あたりじゃない?」
新井先生は海里がパシリに使われていることをつかみ、その場所を抑え、指導にかけた猛者である。また彼は正弘の家を気遣い、自分の家に住むことを許してくれた恩師でもあった。
「今年もやるよな。」
「ああ。当たり前だ。あいつらを検挙するときの爽快感、たまんないぜ。」
「全くふたりとも遊びじゃないんだから。」
楽しく話す彼らの髪を少し強めの春風がなでた。
まどかはそう言ってふと時計を見ると言った。
「やばい!ホームルームまであと5分だよ!」
「まじか!走れ!」
「イエッサー」
『キーン、コーン、カーン、コーン』
「「「セーーーーーフ!」」」
「アウトだよ!」
「3人共、早く席へつきなさい。」
「「「はーーい。」」」
「さて、じゃあ皆、僕は知っての通り、新井という。小学生最後の1年だが、今年もよろしく。今日の1時間目は算数だな。さあ、朝読を始めて!」
「はーい。」
<1時間目 算数>
「お早うございます、皆さん。さっそく授業をしましょう。」
「起立!礼!「「「「お願いします。」」」」着席!」
「教科書の38ページを開いてください。今日は新しいことをやりますよ。その名も”つるかめ算”といいます。つるかめ算とは、鶴と亀がいる数とその鶴と亀の足の数からそれぞれに何匹いるかという計算のことです。これを使うと鶴と亀以外の問題でも使えますよ。」
「ねえ、まさ。ノート取らなくていいの?」
「うん、だって分かってるもん。」
「ええ、すごーい。さすがまさ!」
「でも、颯太もノート取ってないよ。」
「ほんとだ。なんで私に周りの人はこんなに優秀なんだろう。」
「ははは・・・。」
「そこの二人!授業中に話さないで。それに正弘くん、この問題が解けるなら、ノート取らなくていいけど、解けないなら真面目にノートを取りなさい。5年生のときの小数の筆算のテスト0点だったでしょ!」
クラスに笑いが起きる。
「いや名前を書き忘れただけじゃないですか。」
「見直しをしておけば分かった間違いだぞ。君は終わってから寝ていただろう。」
はたまた笑いが起きる。実際、彼は小数の小テストが終わってからあまりの眠さに爆睡してしまったのだ。前日にパソコンにしがみついていたからだ。タグリアについての情報を調べていたのだ。ついでにカナティアについても。
ただタグリアから戻ってきた人はいないらしく、全くといっていいほど情報はなかった。さすがに小5が何時間もパソコンに向きあう彼を見てさすがに怪しんだ母親の圭織は「何しているの?」と聞いてきた。
「いや、ちょっと調べ物。」
「2時間もなにしているのよ。」
とパソコンを覗き込んだ圭織の表情が変わった。
「はやく寝なさいよ。」
と慌てたように言った圭織に怪しみつつパソコンを切った。
「坂田くん!」
「は、はい!」
「ボーっとしないで教科書39ページの問題解く!」
「はい!」
また笑いが起きる。(俺はネタなんかじゃないっつーの)とおもいつつ、問題を解き始めた。
1時間目も終わり、休み時間に入ると、またいじめが起きた。しかも2グループで。
こちらは男子side
「おい、卓真。どこに行く?」
「え、どこってトイレだよ。」
「よし、トイレにいかせるのを邪魔しようぜ。」
「「いいね、いいね。」」
流石に切れた卓真が反撃に出た。
「いい加減にしてくれ。トイレぐらい自由に行かせてよ。」
「いいじゃん。楽しいんだし。」
「誰に歯向かってんだよ。俺に逆らう気か?こっちいつでも買うぜ、その喧嘩。」
「おお、そうだ、そうだ。」
卓真は一か八かと殴りに出ると、紘毅は倍の速度で卓真に迫り弾き飛ばした。
「もう一回これをやってみろ、どうなるか分かってんだろうな。」
怒った颯太が飛び込もうとしたところでチャイムが鳴り、休み時間が終わった。