プロローグ~幼少期~
第2章が始まりました。閑話とは関係がないと言っても過言ではないです。
第2章では小学生時代までのことを書くつもりです。
目を覚ますと、自分の目にどこかの建物の天井が映った。ここは見覚えがな・・・・・・いや、あるな。なぜだろう、いろんな記憶がある。
横を見ると白衣に身を包んだ人が立っていた。大方、ここは病院なのだろう。部屋にあるカレンダーからすると、日本だな。ということは、マジで転生したのか。
あ、俺の隣に立つ男が俺を抱こうとしてる。おかしいぞ?俺はもうちょっとでかいはずだ。しかもジジイになっていたはずだろう。なぜ、抱っこなんかできるのだろうか。重いじゃねぇか。
その隣に女の人が寝ている。誰だろう、聞いてみようか。
「お、お、おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。おぎゃぁぁぁぁぁぁぁ。」
「おお、よしよし。君は今から坂田正弘だ。よろしくね、マサ。無事に生まれてくれてありがとうな。」
「私からもよろしくね、マサ。ああ、かわいい!」
なぜだ?俺は誰か聞いたはずなんだが。これじゃあ、まるで赤ちゃんみたいじゃないか!
いや、赤ちゃんみたいじゃなくて、赤ちゃんなのか!
名前は正弘だろうな。まあ、キラキラネームじゃなくてよかったけど、もうちょいカッコ良さそうな名前の方がよかったかも。
・・・いや、カッコよかったら名乗るときに大変か。またいじめにあったら嫌だし。奇天烈な名前じゃなかったことを喜ばないとな。
と、こんなことを考え続けたせいなのか耐えられないほどの睡魔が襲って来た。じゃ、今日はここらでお暇です。おやすみ!
「あら、寝ちゃった。疲れてたのね。ねぇ、ヨシ。これからもよろしくね。」
「うん。僕からもよろしくね、圭織。」
赤ちゃんを世話していた看護婦も微笑ましそうに笑っていた。
俺が起きるとそこは知らない天井だった!!まあ、それはそうか。俺が知ってる天井なんてこの世界じゃ俺の部屋ぐらいだし。
ところで、地球で魔法は使えるのだろうか?
こういうときは・・・テッテレー、ステータス!
~~~~~ステータス~~~~~
名前:平野陸、リク・ソヴァール、坂田正弘、????
年齢:0歳
性別:男
種族:英雄
体力:7
魔力:7545635778897856868
神力:450
レベル201
〇能力
~神魔法
・神回復
・解呪
・解縛
~暗黒魔法:特大魔法とも言う。
・ダークネス・エラプション:闇+炎
・ダークネス・アイシクル:闇+氷
・ダークネス・マーキュリー:闇+金
・ダークネス・ソイル:闇+土
~空間魔法:全て習得(エキストラ:異世界転移)
〇スキル
・千里眼
・探知
・魔力自動回復:1分に1、回復する。
・体力自動回復:1時間に1,回復する
・鑑定
・????
それにしても体力7・・・は、当たり前か。だってまだ0歳だし。????ってなんだろうか。
おっと、また眠くなってきた。最近、よく眠くなるんですよね~。赤ちゃんだから当たり前か。では、さらばじゃ!Zzz・・・・・。
起きたり、寝たり、歩いたり、「お父しゃん、お母しゃん」と言ったりしているうちに3年が過ぎた。去年からお父さんが倒れる回数が増え、入院の回数も増えていった。
先日、俺以外の家族会議ではお父さんが「末期がん」ということがわかった。もう治せないらしい。俺の魔法で治したいんだが、体力が3年たっても21にしかならなくて初級魔法しか使えない。
そうやって、この年の7月、お父さんは死んだ、ある約束を遺して。
「楽しかったよ、この人生が。圭織と正弘と会えて。
圭織、僕は上から見守っているから、再婚してもいいから頑張って僕の分まで生きてくれ。」
「はい。」
お母さんは泣きながらそう答えた。
「正弘、お父しゃんは遠いところに行ってくるからもう会えないんだ。だから、僕がいないからこそお母さんを守ってあげてね、約束だよ。」
「うん、や・く・そ・くするよ!」
「ヨシ・・・。うん、わかった。正弘を立派に育ててみせるよ。じゃあ、さよ・・」
「おっと、さよならとは言わせないよ。僕はいつでも見てるから。むやみやたらに死ぬなよ。元気でな、圭織、正弘。」
最後はカッコ良く旅立った。『さよならとは言わせないよ、キラーン。』だってさ。カッコいい。
俺のそばには大泣きのお母さんがいた。一人息子を亡くした母親の気持ちがわかる気がしないでもなかった。
うちの母はまだ元気なのだろうか。