///3 ボスの友
年齢指摘があります。
そこで俺はリクの酒を持って厨房を飛び出していった。
「リク、すごいぞ!すごいじゃないか!あのカナティアを倒すなんて。この酒は俺からの贈り物だ。無料だからな。その代わり、いつでもここを使ってくれよ。ちなみに、俺はクラインという。」
「あんなところ、初めて見たな、俺の弟子なのに。」
「ああ、クラインってあんな社交的だったか」
「・・・・リクってやつすごかったな。あの時話しかけておいてよかった。」
ぼそぼそぼそ・・・・。
ん?なんか後ろがうるさいぞ。あと、最後のやつ、安心してるじゃないか。
「名前を『ちなみに』で表すのはおかしいだろ。ではクライン、これからもよろしく頼む。」
「ああ。」
そう言って、俺達はがっしりと握手をした。何の意味を持つ握手かは俺もわからないが。
リク・・・・。いいやつそうだな。
それからの1年間、リクはこの酒場にちょくちょく来た。
そして、ある日のこと。
「クライン、俺は明日からカナティアと新しい仲間の山口多聞と、アムールで死の恐谷に行く。だから、ここからは結構会えないけど、そこんとこ、よろしくな。」
「・・・・そうか。いつか来るとは思っていたが、了解した。気をつけろよ、アムールにも。」
「それはどういう意味だ?」
「いや、なんでもない。」
「じゃあ、また今度会おうぜ。」
「ああ、おやすみだ。」
それからの酒場でもいろいろな事件が起こったが、たぶん自分が起こした事件のほうが大きいものだろう。
こういう言い方をしているが、別に人を殺したとか物を盗んだとか、ましてや牢に入れられることをしたわけではない。
むしろ、リクと会ったときよりすこぶる体調は良い。もちろん、精神も大丈夫だ。
「それからの1年間・・・」⇒リクの旅立つ宣言をしたとき、27歳。