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神聖の転生者  作者: 薄明
閑話1.英雄の友
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///2 貧民街のボス、後に英雄

この話は時間(年齢)変動がありません。

「あ、お前はココらへんで『貧民街のボス』とか言われているやつだろ」

「ああ、そうだ。今日もそこら辺にいたヤンキーと喧嘩して盗った金で飲んでるんだ。あ、俺はそうだな、カルン酒を頼もう。」

「了解。あんまり、強すぎるやつと絡むと負けるかもしれんぞ。例えばカナティアとか。気をつけろよ。」

「ご忠告どうも。」

「あ、言ってたらそのカナティアってやつが来たぞ。用心しろよ。じゃあ、俺は酒を持ってくる。」

そう言って、厨房に戻ったクラインは新たなる事件に心踊らされていた。

「おっと、いけない。早く持っていかなければ。」


「はい、これがカルン酒だ。ゆっくりしていけよ。」

「お、これか。ありがとう。」

「あ、そういえば、お前の名前は何ていうんだ」

「リクだ。」

「ん?」

「リク・ソヴァールだ。」

「リクね。わかった。じゃ、がんばれよ、リク。」


それから30分経った。この30分のうちに客が結構来ていた。あと、5人ぐらい来たら席が埋まるのではないか、というレベルだ、と思っていたその時、リクの話し声が聞こえた。誰と話しているのかと思って見てみると、相手は“あの”カナティアだった。


「ふっっ・・・貧民街のボスと聞いてどれだけ屈強な男と思いきやただのもやしじゃない

。あなたなんかでよくいままで組織が成り立ってたわねー」

「いきなり来て何を言い出すかと思えば・・・今すぐに魔法をくらわしてやってもいいんだぞ」

「あっれー?あんた、いまだに攻撃魔法が使えないってきいたけどぉー??」

「じゃあ力でいってやる。お前なんかに負けねえよ。」

「あら、そう。いい心がけね。ご安心なさい、死なんて存在しないから。いくらでも殺してあげる。」

「うるせぇぇぇぇぇぇぇ。」


リクが突っかかった瞬間、リクの世界は反転し、天井今は床に叩きつけられた。

クラインはこれは面白そうだな、と思っていた。


「これが重力反転魔法、グラビティネグレクトよ。あんた相手が何持ってるのか知らずに突っ込んだの」


これがあの重力反転魔法か。初めて見た。これは得をしたな。


「今のは何だったんだ。ってか、この世界の魔法、ネーミングセンスなさすぎだろ。こんどはこっちからやらせてもらうぞ」


この世界のってことはリクって転生者なのか。どうりで強いはずだ。ということは今回の英雄はリクか。神様もいい男を選んだものだな。


「ヴォーーーラーーー」


その瞬間カナティアナの体が青く光った。


「って何も起こらないじゃない・・・いやあ!アタシのパンツが!このド変態が。」

「ざまあみやがれ・・・。あれ?」

「かかったわね。そんなこともあろうかと履いてないのよ」

「むっきーーー!」

「たかがそんな幼稚園の子供ができる魔法できただけでよくここまでのし上がってきたわね。我が目を疑うわ」

「町中でパンツ履いてないってことは、お前は【露出狂】か。」

「あっ・・えっ・・・・いや・・・あの・・」


えっ、カナティアは【露出狂】なのか?よっしゃ!また一つ客に言うネタが増えたぜ。


「た、ただのあんた対策よ・・多分。」

「なんでおれがパンツを盗める魔法を使えるって知ってるんだよ。この情報はどっかの宮廷魔術師しか知らないはずだぜ」


ん?なんか、アムールがビクッてなってるぞ。

あ、もしかして、どっかの宮廷魔術師ってアムールのことかよ。


「ふっ、ふん。そんな事はどうでもいいのよ。とにかく私がここに来たのはアンタの実力を見るためよ。」

「はっ!そんなことは知っている。証拠にこれを持っている。」

「そっそれはなにかしら・・・」

「魔法使いの弱点である魔法禁止道具だ。これがあればおまえはただの高飛車なメスだ。」

「そっそんな馬鹿なことが・・ハッ!」


鼻で笑っていた彼女は魔法を発動しようとしたが、魔法は発動しなかった・・・。


「そっそんなあ・・うっ嘘よ!なっなんで?発動しないのよおおおお!終わった・・・私の貞操がああああ・・・この糞男に・・・こんなもやしなんかに・・・・嫌だ嫌だいやいやいやああああああ。」


おお、あのカナティアが負けている!すごいぞ、リク。


「はっ   はっ❕     はっ」

「何度試しても無駄だよ。無駄無駄なんだよおお。」

カナティアナのやる気も虚しく、魔法は発動しない・・・。

「さて、この状況を整理しよう。俺は男、お前は女。魔法は使えない・・つまり・・・降参するしか無いんだよ。

ここで俺は優しいから選択させてやろう。このまま俺のものにされるか・・・俺に体を売るかだ。 どうする?」

「結局変わらないじゃない。」

「そう言うことだ。じゃあ歯食いしばれ。」

「いっいやああああああああああああああああああああああああああああああああ。」

酒場内に魔王の悲鳴が響き渡った。周りの客は今の出来事に興味津々だ。

「ということで俺の部下になれ」

「え・・・・それでいいの・・・?」

「おう」


どうやらカナティアはリクの部下になったらしい。

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