第32話 ”危神”討伐④
彼らの働きは目を見張るものがあった。
実際カエシリウスにとって、大魔帝は自分を人間界に追いやった原因でもある。ガルーダも平和な魔界を荒した恨みがあるし、リクは寿命を縮めかけられたし、カナティアは愛するパートナーを殺されかけた。
「カナティア様、そこを燃やして下さい!」
「はい!」
「アムール様、反対側にもトラップを!それからカエシリウス様、カナティア様のトラップにかかったら一度体に攻撃してください!」
「リク様、あいつの足元を出来る限り走り回って苛つかせてください。そうすれば思考能力が落ちます!」
山口多聞はまるで別人だった。
そこから、陸たちの快進撃が始まった!
信じられないほどのスピードで指示を飛ばし、そして彼の予想は恐ろしいほど当たった。まるで未来が読めるかのように。
「そこです!アムール様、カエシリウス様、カナティア様。三方向から一斉に攻撃を。やつは闇属性ですから光系統でダメージの大きい攻撃をやつの背中に当ててください。今までの回避のしかたからそこがおそらく急所です!」
「「「わか(りました)った(わ)。」」」
「全員同じ魔法を撃ちましょ」
「そうだな。そうしよう。」
一瞬の膠着の後、放たれた技は大地をも揺るがした。・・・・・・少し。
「「「グロリアス・ラダール!」」」
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!?これはなかなかやるな。やはりお前が英雄だったか、リク・ソヴァールよ。だが、まだわしはやるぞ。」
「個人的に諦めの悪いやつは嫌いなんだよ!さっさと逝け!」
「もう一撃、もう少し叩き込めば行けるはずです。今度は一回あててもやめずになんども攻撃してください。ひたすら。」
「わかりました。」
「いくぞ!」
「「「了解!!!」」」
4人の手から放たれた様々な魔法が大魔帝を襲った。
「今度は俺も貢献するか。ダークネス・エラプション!」
「私は光属性を撃つわ!ホーリーアロー!」
「我は闇属性しか無理だから初級魔法で。ホーリーホック!」
「『近代の知恵を我が借りる。光撃で我を援護せよ。』艦隊よ撃て、レーザービーム!」
「私は金+光属性で援護しよう。ゴールドバールレイ!」
なかなか攻撃が効かないな、魔力も半分を切ったぞ。と思ったとき、多聞が叫んだ。
「大魔帝から半径200メートルより外に離れろ!攻撃はそのままでいい!」
彼の言葉にいぶかしがりつつも離れると空からヒューっという音が聞こえた。
「なん・・・!?」
言いかけた途端、空中でその物体が破裂し、鉄の雨が大魔帝を襲った。その直後、大量の砲弾が大魔帝の背中を貫いた。
「「「「「なんだありゃ!?」」」」」