第31話 ”危神”討伐③―逆転
「いた!リク!大丈夫?!」
「寿命を縮める呪文がかけられている!はやく解呪しないと!」
「わかってるわ!ブロウクンカース!」
「だめだ!複雑に絡み合ってる!」
「魔王さまなんかにこの呪いは解けないわよ〜。」
大魔帝にガハマと呼ばれた魔帝は軽くあしらった。
「解きたかったらあんたの愛を彼に届けてみせなさい。」
「いい加減にしろ、クレイオー。大魔帝の言うことを聞いて何が楽しい。そうやって実の娘さえもいじめるのか?」
「うるさいわね。魔界を見捨てて人間界に降ったあなたに私のことを諌める権利なんてないわよ。」
「そのセリフはさっきガルーダに言われたんで十分だ。」
「クレイオー様、どうかお考え直しを。」
「ああ。アムールだったかしら。」
元夫婦の喧嘩の横で、カナティアは必死で解呪しようとしていた。
「よし、愛を届けたらいいのね。・・・チュッ。・・・カァ///」
その頃、陸は暗い闇の中にいた。
「ここはどこだ?早くカナティアに助けてもらわなきゃ。」
よし、フラグになるかもだけど帰ったら、カナティアと結婚しようか!
それにしてもここからどうやって出るんだ?
と悩みかけたところで暗い闇の中に愛するカナティアの姿がぼやけて見えた。
「あ、あそこにカナティアがいる!あそこに向かって走ろう!」
直後、陸は暗い闇から脱出した。
「ん、んう、うう。ここは・・・?あ、魔法、使えるな。」
陸は横を見た。
「あ、カナティアか。助けてくれてありがとうな。・・・ん?どうした?顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」
「違うぞ。君を助けるためにカナティアは君にファーストキスを差し上げたんだ。」
「カァァァァァ/// お、お父さん!それは言わないで!」
「もう遅いぞ。」
カナティアは顔を真っ赤にして震えていた。怒っているのか?
「それは本当か。ありがとう。これから大魔帝こと危神を倒しに行くぞ!寿命を縮めて、カナティアを心配させたお返しだ!」
「「我々も手伝おう。」」
カエシリウスとガルーダの言葉に勇気づけられ、一同は大魔帝のいる宮殿に乗り込んでいった。