第24話 別れと再会
翌日
「じゃあ、俺達は一旦元いた街に戻ってその後王都に行く。この1年間ありがとう。また来るわ。」
「ああ、またの。次、入るときは、我の名前を呼べば良いから。」
「ああ、わかった。」
そして、俺たちはマラーノに戻ってきた。
マラーノに戻って驚いたのは、街が寂れすぎていることだ。酒場だって賑やかだったし市場だって騒がしかった。試しに近くにいる老人に聞いてみた。
「国王が亡くなられました。危神軍団が襲撃してきたんです。宮廷騎士団はほぼ全滅、宮廷魔術師軍もやられました。いま冒険者たちがぞくぞくと危神討伐に向かっていますが、帰ってきたものは数えるばかりです。このままじゃ王国の存亡も危ういかと・・。英雄がいてくれたらなぁ。”危神”を倒して王国を作り直せるのに。」
するとカナティアがつついてきた。
「あんたでしょ。」
陸は即答した。
「わりぃ。おれ実家に帰るわ。」
「ないでしょうが!それで、”危神”とその軍団はどこにいるの?」
「ま、カナティアがやってくれるし俺は商売でもやろうかな。」
「そうはさせないわよ。」
「いま危神軍団は死の恐谷を超えて黒平原に陣を敷いています。」
「戻るのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
さびれたマラーノの街にカナティアと陸の悲鳴が響いた。
数時間後、転移魔法の準備ができた陸がカナティアたちを呼び、再びガルーダの元を訪ねた。
「またあいましたね。師匠。」
「数時間ぶりだ!なぜ戻ってきた?」
「危神軍団が黒平原に向かっていると聞いたんです。都市マルトで。」
「何!?そういうことか。では、あの挨拶は何の挨拶だったんだ?まあ、そういうことなら我も一緒に行こうか。黒平原は一度行ったことがあるから、転移ができる。」
「ありがとう。」
「では、この魔方陣の上に乗ってくれ。トラベル!・・・」