第23話 卒業証書
そういえば俺って、性格が超変わったな。さっきから超ばっかり使ってることもだけど。
そう考えているうちに陸は目的地まであと少しのところまで来ていた。
お、あれが師匠の言ってた大きい木だな。ここを左に曲がる、と。洞窟があるな。これに入るのか。
これを見ると、村の近くにあった洞窟を思い出すなあ。
ん?誰かいるぞ。こいつが分身か。
「ん?来たな、人間。」
「俺はリク・ソヴァールという。」
「わあれこそはああああああああああああああああ。空前絶後のおおおおお。超絶怒涛の分しいいいいいいいいん。すべての分身の生みの親ああああああ。”危神”を愛し、”危神”に愛された男おおおおおおおおお。”フローーーーーーーーズン”ステー『ボン!ボン!』ジ!イエェェェェェェェェェェェェェ!
お主は我に勝てるのか?」
誰のマネだろうか。
ただ、氷の魔法を使うことはわかったから、そんなに魔力を使わないものにしようか。まぁ、∞だからどうでもいいんだけど。
先手必勝!
「ダークネス・エラプション!」
「な!貴様、初っ端から超強ぇ魔法出してんじゃねぇよ!」
魔法を撃ちながら剣を構え、居合斬りをしようとするリクだったが、敵はリクの放った魔法でボロボロになっていた。
「ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉ。」
それでも容赦なく斬りつけるリク。
「うわぁぁぁぁぁ!」
数秒後にはグチャグチャになって事切れていた。そのさまはとてもグロかった。
「拍子抜けするほど弱かったな。あれぐらいなら話の途中で殺しときゃよかった。後悔したな。試験も終わったことだし、師匠に報告しに行こうか。」
「師匠、分身を倒せました!」
「そうか。それじゃあ、もう卒業だ。それと、我が知ってる暗黒魔法は一つある。リクが持っているダークネス・エラプションの他に、だ。これは一応お前に魔法で覚えさせるから、安心しろ。それが卒業証書というものになるのかな。その魔法の名はダークネス・アイシクルだ。これは闇+氷の魔法で、ダークネス・エラプションは闇+炎だ。」
「ありがとうな。」
「他にもこの系統の魔法はこの世界のどこかに散らばってるかもしれない。だから、それを探すのもいいかもな。」
「”危神を倒し終わったら旅に出てもいいかもな。」
「あ、我はここに居続けるからパーティーにはならんぞ。ただし、敵の仲間にもならん。」
「わかっています。」
「では、今日は宴といこうぞよ!酒を持ってこい!」
「「「「宴(よ)(です)!」」」」
このとき、陸の頭から『旅に出ようかな』という考えはもう抜け落ちていた。