第19話 魔王~2人目~
「そうだな。」
そう言ってドアノブをひねると鍵がかかっていた。
ん?誰かいるな。
「誰かいるわね。鍵を開けてみましょうか。”オープン”」
カナティアがそう唱えると、簡単に鍵が開いた。
「おい、我が敷地に入って何をしている。しかも勝手に鍵まで開けおって。
我は6の魔王の一人、”闇のガルーダ”だ。お主らは何者じゃ?
ん?そちらにおるのは”全属性使いのカナティア”ではないか?」
「そうよ。久しぶりね。ここであったのも何かの縁ね。30年前の金魚すくいのお金、返してくれるかしら。あなた、私に500円借金してたはずよ?」
「お前こそ市場で買ったおにぎり代1000円返せ。」
(こいつらの会話レベル低ーーーー。)
カナティアとガルーダ以外の全員の感想である。
「あら、そういうことなら定期考査のときにかしたペンまだ返してもらってないわよ。」
(いつの話だ!)
「お前だって運動会のときにお前がお弁当ひっくり返して仕方なくあげた唐揚げを返す返すって言ってながら返してもらってないぞ!」
この世界に運動会ってあるんだ。いや、そんなことより、そろそろ止めないとな。
「いい加減にしろ!ガルーダ、俺はリクという。今日から目的が終わるまでここに泊まらせてもらう。では、ここで俺は寝る!おやすみ〜〜。」
「勝手に完結させて寝ようとすんな!「Zzz~~~」って、寝るの早っ。おい、お前らまで寝ようとすんな。なぜここへ来たかまだ聞いてないんだが・・・。」
「それは明日ね。」
「「「おやすみ〜〜〜。」」」
「しょうがねぇなぁ。俺も寝るとするか。」
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その夜、陸の夢にあのジジイが現れた。
「久しぶりじゃのぅ。陸よ。」
「出てくんのが遅い!何してたんだ?」
「これでも神じゃから、色々と忙しいんじゃよ。」
「知らん。それより、俺の能力が今、2つしかなくて、プラス、呪いがかけられてるらしいんだが・・・。」
「危神の分身を倒してくれたことだから、褒美という名の能力を授けよう。あと、コピー能力は仲間の技は覚えられないように設定しとくからそこんとこ、よろしく!」
「いきなりキモくなったな。あとでステータス確認しとくわ。」
「ああ、属性は闇しか追加できなかったからガルーダに教えてもらうことだな。」
「分かった。」
「ステータスを確認するなら”????”とあるやつは気にしないでくれ。ではもう一人の分身を倒し、王都へ行ったほうがよいぞ、と予言しておこう。では、以後精進せよ・・・・。」
すっかりなじみのあるセリフを聞いた陸の意識は闇に溶けていった。
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