第28話 ギルド③ 〜正弘VS〜
最近、投稿頻度が落ちてますがすいません。。
「準備はいいですか?では、あちらの的にミサトさんから魔法をお願いします。」
海里が的に向かって立ち、目を閉じる。心を落ち着かせているのだろう。
目を開いたと同時に彼女から火属性の魔法が飛び出した。
「さすがお二人です。かなりお強いですね」
手元の紙になにかを書き込んでいるミランの隣で、海里はすべての力を使い切ったように座り込んでいた。
「なんでまさくんあんなに強いわけ?」
「そんなこと言われたって」
検査の結果は正弘の圧勝に終わった。それどころか、本気を出しかけて怪しまれたほどだった。
「では続いて模擬戦を行いますが、お二人とも大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です」
声をかけられて立ち上がる。
ミランの横にはいつの間にか試験官と思われる人が男女二人立っていた。
「今からお二人にはあちらで模擬戦を行っていただきます。ご自身の一番得意な属性で戦ってください。彼らは死ぬことはありませんし、致命傷の傷はすぐにその部分だけ自動で回復されますので、本気で戦ってください。では、お願いします」
ミランが試験官に軽く会釈したのを見て、彼らは正弘たちを連れて別の区画に向かって歩き始めた。
練習場の端に、頑丈な壁で覆われた部屋がいくつも置かれたエリア。部屋の幾つかは使用中なのか、ときどき魔法を叫ぶ声や爆発音が聞こえてくる。
「マサヒロさんは手前の、ミサトさんは奥の部屋に入ってください。詳しい説明はなかで行います。」
「わかりました。じゃあね、まさくん。あとでね」
「おう!」
部屋は外見よりも広く、飛び回っても問題なさそうな大きさだった。
「はじめまして。今回マサヒロさんの試験官を努めます、ラッセルと申します。よろしくお願いします。マサヒロさんは風属性だとお伺いしておりますが、間違いありませんか?」
「はい。合ってます」
「かしこまりました。では、ルールをご説明いたします」
ラッセルの説明によれば、試験は自分が戦闘不能であると判断された場合、または戦闘開始から10分経った段階で終了し、試験官に与えることができた攻撃量で評価されるという。
「先程ミランからも説明があったように、遠慮なく攻撃をぶつけてきてください。準備はよろしいですか?」
「はい。」
「わかりました。では、あちらのラインに立っていただいて、私が『始め』といったら開始です」
地面に引かれた白いライン。何人もの冒険者が立ってきたのか、そのラインは薄くなりかけていた。
「行きます。始め!」
ラッセルの声と同時に、マサヒロは『風刃』を叩きつけた。