第26話 ギルド①
最近、忙しくてどうしても投稿が遅くなってしまい、すいません……。
最初は海里視点、途中から正弘視点で進んでいきます。
「なぁー、海里ー」
「なに?」
「なんでもない」
「そ」
珍しく有沙と正弘が起きてこない。
私は神村の向かい側に座り、朝ご飯となるフレンチトースト的ななにかを口に運んでいた。
「起きてこないな」
「珍しいね。どうしたんだろ」
「見に行ってみるか」
「いってらっしゃーい」
正弘と有沙の様子を見に行った神村が、程なくして、血相変えて走ってきた。
「どうしたの?」
「有沙と正弘が一緒に寝てた」
人生最大の報告に、私の喉はそれ以降なにも通さなかった。
「どういうことよ」
「いや、昨日有沙と話してて、気づいたら一緒に寝てた」
「はぁ?」
「みなさん、お目覚めですか」
修羅場になりそうな雰囲気の食堂に、クローカーの鋭い声が響く。
「今日から本格的に巡回を行います。朝食を食べたら移動しますので、そのつもりでお願いします」
4人は、慌てたように食事を口に運び始めた。
クローカーの転移で飛んだ先は昨日の部屋だった。
部屋から出て王宮の入り口に向かうと、そこには昨日手合わせした騎士が立っていた。
「あれ、昨日の……」
「今日はよろしくお願いします、勇者方。」
「王都もそうですが、これから巡回は私は付いていけません。もちろんロイルも。私達は王宮を守らねばなりませんので。また、明日からは王都の宿に住んで頂きます。」
つまり、いよいよ旅が始まるということか。この騎士は勇者の案内役であり監視でもあり仲間でもあるということになる。
「改めて私はリクト・ソヴァールと言います。今日からよろしくお願いします。」
正弘は苗字を聞いて驚いた。と同時に彼の強さを理解した。
リクと、つまり俺とカナティアが鍛えたカイトとカタラの子孫なのだろうから。左右に少し首を振るが、他のみんなは気づいてないようだ。
「私は海里。ミサトって呼んでくれていいよ。でこっちの、剣持ってるのが大志で、、持ってないのは正弘。その隣が有沙ね」
「は、はい。」
「堅苦しいのはいいから。」
クローカーがそろそろ私は……と言って王宮の中に入っていった。
去っていくクローカーに一礼していたリクトはこっちを振り返って言った。
「ではまず冒険者ギルドというところに行きましょ……行こう。」
海里の視線を受けて語尾を変える。
有沙が前を行こうとするリクトに一つ質問を投げかける。
「あの、リクトさんは何歳なんでしょうか?」
「僕?僕は20だけど。」
「歳上だよ、海里。」
「え…」
「はは。呼び捨てで、大丈夫だよ。」
そんな彼女たちの楽しげな言い合いを後ろで聞きながら、正弘は周りをキョロキョロと見渡していた。
流石に数百年前の王都とは景観が全く違うが、大体の雰囲気とざっくりとした位置は何となくわかった。
その横で神村は、はじめての見る店や人に目をとられ、キョロキョロとしていた。
「まさくん、大志!こっちだよ!」
海里の大きな声に呼ばれて足を進めると、目の前に巨大な建物がそびえ立っていた。