第15話 事件の予兆
3分身ということはあと1人しか分身はいないわけだな。ということは後が楽だな
そろそろ昼に近いし飯も食いたいからカリータ村に入ろうか。
と気楽に構えていた陸を突然闇が襲い、彼の意識を奪っていった・・・。
「ぐはぁあ。」
意識を取り戻した彼はゴツい石で造られた天井を認めた。見覚えのない天井だった。
「ここはどこだ?一応ステータスを確認するとしようか。」
<<ステータス>>
氏名:平野陸、リク・ソヴァール
年齢:22歳
性別:男
レベル:6
~~~~~能力~~~~~
・コピー能力
・回復魔法
・天気魔法
・闇・無属性
・探知魔法
・空間魔法
~~~~~スキル~~~~~
・無限スキル
魔力、アイテムボックス
~~~~~パーティー~~~~~
・リク・ソヴァール
・カナティア
・アムール
・山口多聞
何だとっ!風属性がなくなってるし、今までに覚えたものが全て消えてるじゃないか!
これでは何もできやしないな。非常にやばい。
仕方ない。
今日は暗いから明日、犯人を探すとして、今日は予定通り、カリータ村へ行こう。
カリータ村に着くと、門番が話しかけてきた。
「こんな遅い時間にどうした?そろそろ閉めようかと思っていたが、」
「少し、色々あってな。一晩止めてほしいんだが。」
「ああ。ちょうどいい。カナティアとかいうやつがお前を見かけたら声をかけてほしいっていっててな。村の真ん中の宿舎にいるから。」
なぜこの門番が人から聞いたのに俺を陸ってわかったんだろうか。
俺、一言も名前を言ってねぇぞ?
まあ、あいつが何かしら特徴的なことでも言ったんだろう。
わざわざ行かなくてもいてくれた。ラッキー。
荘厳なつくりの宿舎に行くとうやうやしくベルボーイが迎えた。辺鄙な村にこんな宿舎があることに驚きつつカナティアの部屋を聞き出し、その隣の部屋をとった。
部屋に行き早速カナテイアを訪れることにした。
「何のつもり?こんなところまで追いかけてくるなんて。あなたストーカーと間違われるわよ。」
いや、お前が呼んだんだろう、とツッコみたかったが、話がややこしくなるのでやめておこう。
「いや。急に覚えた魔法がすべて消えたんだ。つまり今残っているのはちょっとした魔法だけ。」
「あらら。やっぱりあなたもなのね。多聞も艦載機が上がらなくなった、ってさっき隣の部屋から訪ねてきたわ。」
あの老人もか。
「アムールと私は無事みたい。つまり魔術師と魔王は能力が消えないようね。」
俺も魔術師みたいなのになぜ、俺のは消えたんだ?
「そういえば、お前俺の外見とか言った?」
「誰に?」
「門番に。」
「言ってないし、一言もしゃべってないわよ。」
「えっ!?じゃあなんであいつは俺のこともカナティアのことも分かったんだろうか。」
「何の話?それより、これからどうするか話し合わない?」
「ああ、いいけど。」
その謎を残したまま、陸はカナティアたちと少し話した後、部屋に戻り、布団に入った。