第5話 懐かしき神竜との再会
とうとう令和!元号改まっておめでとうございます!
令和初の1話をどうぞ!
部屋と言ってもちょっと広いだけの洞窟だ。
誰かに言い訳しながら、着いたかな?と思って下に向けていた目を開けると、はるか遠くに地面が見えた。
「え?」
気づいたときには落下が始まっていた。
転移で地面に足をつくところまで跳びたいが、遠距離転移は発動後10秒以上経ってからでないと次の転移ができないのだ。
新しく手に入れた風魔法を使おうとするも、そよ風しか吹かない。しかも落下によって自分の身に向かってくる風に負けている。『復活』があるから死にはしないが、だからといって死ぬ運命を回避しないというのはいやだ。
正弘は方法を模索する。
闇魔法は使えないし、暗黒魔法はこの森の地形を変えてしまう。何しろ、竜巻だからな。
転移まで後5秒ほど。地面につくまで5秒もかからない。
どういう態勢で落ちたら痛くないだろうか。足から・・・は痛そうだし、頭からも流石にちょっと。かといって腹から落ちたらグロいだろうし、背中も尻もめちゃくちゃ痛いだろう。どうせ死ぬなら楽に死んできれいに復活したい。
先に落ちる部位を考えていたとき、視界の端に黒い影がこちらへ向かってくるのを捉えた。この目は常時『千里眼』を使ってるから、自分が見たい場所で行ったことのある場所なら基本どこでも見えるのだ。
例えば、広場の石碑はもちろん、宿も見えるし、有沙が今何をしているかも見える。
そういえば、今何をしてるんだろうか。ちょっと覗いてみようかな?いや、これは復活してからにしよう。
とりあえず、今は落下の件だ。黒い影はどんどん近づいてくる。その影は段々と光に照らされ、スピードを少し落としたことで全貌がはっきり見えた。
ドラゴンだった。しかも、見たことのある竜だった。魔力も馴染みがある。この竜は、おそらく俺が探していた神竜だろうと思う。
「ほはえは?」
今俺はものすごい風圧のせいでうまく喋れない。なぜ急に喋ろうと思ったのかは自分でもわからない。でも俺は尋ねていた。
竜はその翼を勢い良くはためかせて俺と地面との間をぎりぎり通り、タイミングよく俺をその体躯の上に落とした。風と重力による衝撃は竜の大きな体がある程度吸収した。
俺は『闇結界』を無詠唱して竜の上で風圧から身を守る。これでようやくまともに喋れるようになった。
「偉大なる英雄である主よ。英雄が再び現れる日まで心待ちにしていた。ここ、”英雄の森”は英雄がいなくなってからも異常はなかったぞ。」
「神竜!色々とありがとうな。これからも管理は頼むぞ。」
「ああ。頼まれている。契約は続行する。ところで、英雄よ。」
神竜は前置きは終わったという風に話題を変えようとしながら、見覚えのある巨大な洞窟の前で地面に足をついた。
「どうした?」
「俺に名前をつけてくれないか?」
「つけていなかったか。2000年前にするべきだったな。わかった、考えておこう。思いついたら『空間・念話』しよう。」
「頼んだ。英雄よ、何かもてなそう。」
そう言って神竜は正弘を乗せたまま洞窟の中に入っていった。
道中、俺は神竜が念話できるのか気になったので、神竜に『鑑定』を使ってみることにした。名前はこいつの特徴とかから決めようと思う。
<<ステータス>>
名前:
年齢:不明
性別:オス
称号:神竜王の次男、神青竜、英雄の契約先、”英雄の森”の管理者、
レベル140
体力:5420000
魔力:10840000
神気:200
魔法:氷水魔法、空間魔法<中>、神聖魔法<上>
能力:人化、絶対防御、咆哮、竜の吐息 Lv.7、爪術 Lv.4、飛行 Lv.6
装備:婚約指輪
ブックマーク・評価もよろしくお願いします!