プロローグ~懐かしき景色~
新章開始です!!!ステータス、久しぶりにあります・・・。
目を開けると青い空と白い雲が見えた。
詩をなぞっているのではなく、本当に見えた。さっきまでカラオケ店にいた正弘たちは数分もしないうちに周りが木で囲まれている野原で仰向けに寝ていた。
(ここは・・・見たことあるようなないような・・・?)
口には出さずに脳裏でつぶやき、正弘は起き上がった。
(さっき感じたあの光は、魔力だった・・・。ということは・・・)
ズボンについた草を払い、一緒に光に巻き込まれた有沙たちを見つけた正弘は、周りを見渡す。
目についたのは大きな石碑だった。
石碑に文字が書いてある。上の方に懐かしい文字が、下に日本語がある。その文字を見た途端、正弘は確信した。ここはタグリアで、俺はこの世界に戻ってきたのだ、と。
有沙たちを起こす前に、正弘はどうしても気になることがあった。
それは、ステータスだ。なぜこの世界に戻ってきたのかはあとで石碑を見ればわかるだろう。
思い立ったがが吉日、正弘は頭の中で”ステータス”と念じた。
<<ステータス>>
名前:平野陸、リク・ソヴァール、石井(坂田)正弘
年齢:15歳
性別:男
称号:勇者、神聖の転生者、元”復活の英雄”
レベル201
体力:250
魔力:測定不能
神気:450
魔法:神聖魔法、暗黒魔法、空間魔法、???
能力:千里眼 Lv.9、探知 Lv.9、鑑定Lv.9、武道の心得 Lv.3、言語変換、自動回復、隠蔽、復活、コピー、????
装備:制服
(いつのまにか封印が解けているようだ。
だが、ステータス自体は封印前とさほど変わらない。変わってると言えば、魔力が測定不能になったのと、スキルにレベル表示がついているものもあるのと、若干スキルが増えていることだろう。あとは称号だな。
一つ一つ整理していこう。
まず、称号はおそらくさっきの転移のせいだろうな。石碑の前に召喚させられたということは何らかの危機があってそれを倒せ的なものだろう。
次に、魔力が測定不能の件だ。これについては俺自身前の値がどれくらいか全然覚えていない。神様も面倒だったのだろう。
それで、武道の心得っていうのは、十中八九武道部で稽古していたからだ。レベル表示がついてるものとついていないものがあるのは、ちょっとよくわからないな。ついていないものは能力がもう上がらないってことなのか?)
そんなことを考えているうちに周りで声がし始めた。見れば横たわったままだった海里や有沙たちの意識が戻り、困惑しているところだった。
「あれ、ねぇ?ここってどこ?」
「私達誘拐されたの?!」
神村は周りを見渡して何かを察し、なぜか落ち着いて少し嬉しそうな笑みを浮かべていたが、有沙や海里はかなり混乱しているようだった。
「神村、ちょっといいか。」
「ん?ああ。」
森の中に入ろうとしていた神村を呼び止めると、草の上に座り込んだ。その横に海里と有沙も一緒に座った。
「おそらくだが、ここは日本じゃない。おそらく異世界と言われるところだ。」
「異世界?ほんとにあったの?」
「まさくんの妄想じゃなくて?」
「これは俺の妄想なんかじゃない。確かにここは異世界だ。」
正弘が強く言ったことで、3人はそこが異世界であるということを考え始めた。
「でもさ、なんで私達が?」
海里が口にした疑問に他の2人も同意するように首を縦に振った。
正弘が口を開こうとしたとき、近くの茂みから音がした。
正弘は咄嗟に探知の能力を使い、茂みの中にいるものを特定しようとした。
だが、彼がその正体を能力で知る前にそれは彼らの前に姿を表した。
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