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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
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第78話 新学期

結構遅れてしまいました!すいません!  ※少し短くなっています





光陰矢の如し、とはよく言ったものだ。時が矢のように一瞬で流れる。





正弘にとっても中3までの時は一瞬だった。





「今日から君たちは最高学年です。最高学年にふさわしい節度をもった行動を心がけてください。」



新学期。


始業式の前に急遽行われた学年集会で、学年主任が発した言葉。まるで小学生に向かって言うようなその言葉に学年の中から笑いが起こる。一通りざわついた後、彼は再び言葉を継いだ。



「今年で、中学生活も終わりです。全員が同じ高校に入るとは限りません。今年、精一杯楽しい思い出を作って、笑顔で卒業を迎えましょう。以上です。」



珍しく感動するようなことを言って引いた学年主任に生徒たちは拍手をした。



「じゃあ、次。生活指導から。」


マイクは英語を教えている先生に渡る。



「今年は最高学年です。後輩たちの手本となるように節度ある生活を心がけてください。また、最近遅刻する生徒が増えてきています。なぜ遅刻をするのか、を追求し改善してください。こちらからは以上です。」


「はい。ありがとうございました。続いて体育祭実行委員長からです。」



先生の中に一人だけ異質の存在がいたのはそのためで、その生徒が前に出てくると同時に、他の席に座る生徒たちが彼を囃し立てていく。


彼はその声に手を上げて答えると、少し緊張した面持ちで前に歩み出る。


先生から渡されたマイクを側にあった机の上に置いた彼は高らかに声を張り上げて言う。



「今年はッ、中学最後の体育祭ッ!俺達がこの学校を盛り上げていけるように全員で楽しもう!以上です!」



野太い声で言い切った彼に賞賛の拍手と歓声が教室中に鳴り響いた。


机の上に放置されたマイクは学年主任の手で包まれていく。



「はい、ありがとうございました。最後にこの集会のまとめを・・・畑先生にしてもらいましょう。」

「えっ、私ですか!?」



先程の歓声とは違った類の歓声が響いてくる。岡野という国語の先生(男)は学年主任にマイクを手渡され、何かを思案しながら壇上に立った。



「えーと、今年は中学最後なので最高学年として気を引き締めて、それでいてこの学校生活を思う存分楽しみましょう!あ、でも勉強もちゃんとやってくださいよ。」



拍手の中で小さくつぶやくその声は全員に聞こえて笑いが混じる。




春とは思えないほどの熱気があるこの教室は少し暑かった。


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