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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
162/231

第77話 目と目が合う!

11/23 ラスト3行、追加しました。

「まさくんおはよー。」

「おはよう・・・」



次の朝、正弘のテンションの低さに挨拶をした有沙は驚いた。



「まさくん、どうしたのよ。」

「いや、昨日の夜の海里と父親のテンションが高すぎて疲れて・・・。」



「なんで?なにかあったの?」

「あ、いや、異世界部の・・・あ、お前。なんで俺が異世界部の部長になったこと知ってんだよ。」

「架澄に聞いたの。」

「お前架澄と知り合いだったんだな。」

「うん、だって中1のとき同じクラスだったもん。」

「そうだったのか。知らなかった。」



「逆にまさくん知ってたら多分私引いてるよ。ストーカーだって。」

「それは困るな。引かれてたら有沙に好かれることもなかったからな。」

「ううん、そうじゃなくて引くの今ね?」

「今!?」



「もちろん!でも引いてもすぐ元に戻るかも。なんとなくね?」

「そっか。よかった。」



正弘は、片目をつぶってウィンクしてみせた有沙の頭を撫でた。


「ねぇ、まさくん。」


正弘の手をそっとどけると、有沙はじっと彼の目を見つめた。



「まさくん、本当に中2?」

「え?」



「なんか時々振る舞いとかが年相応じゃないというかもっと上、だから高校生くらいに見えるときがあるの。」

「俺は見ての通り中2だけど?」

「だよね?んー、気のせいかなー。」



(中身は高校?あれ?歳的にはそろそろ大人になってもいい年・・あ、いや、タグリアで300年生きてるから死んでる?で、生まれ変わって・・・)



「結局中2だった!」

「ひゃい?!」



考えていた言葉の一部が外に飛び出し、正弘に背を向けようとしていた有沙を驚かせた。


胸に手を当てて軽く深呼吸を繰り返す有沙に謝ると、横の机に寄りかかった。



今日は珍しく、人が来るのが遅く、教室はまだ静かだった。ふたりとも黙り込んだせいか、二人の間に静かな時が流れる。



「はーい!ラブラブもそこまで!」

「朝からなにイチャイチャしてんだよ」



やることもなくお互いの目を見つめ合っていた二人の間に海里と神村の声が割り込む。その声で我に返ると目を逸らす。



「お前らあのまま俺らが声かけなかったらキスまで行ってたんじゃねえの?」

「中2でキスはちょっと・・・。」

「行かねえよ。ただ見つめ合ってただけだよ!」

「あ、自白した。」

「言っちゃったねぇ・・・。」

「まさくん・・・。」



勢いで言ってしまってから自分のやらかしたことに気がついた彼は慌てて訂正しようとするも手遅れだった。



海里と神村は冷やかすようにこちらを見つめ、(実際に冷やかしていたのだが)有沙は恥ずかしいのか俯いたままだった。





結局その日の彼はそのことでいじられることになった。なぜか有沙は少し嬉しそうだったのだが。












「そろそろ中3か・・・。」



正弘も、周りにほとんど人がいない早朝に信号待ちをしながらぼんやりと呟いた。




冬の足音が聞こえる街は、まだ少しだけ足掻くように秋の気配を残していた。



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