第12話 別れ
「じゃあ、ここから街道を使って移動するけどどうする?」
「じゃったら、”死の恐谷”前で1年後に待ち合わせにするかの。地図は全員持っているか?」
「持っているわ。」
「いや、俺持ってねぇし、その地図」
「1年前にあげたでしょ?」
「・・・あ、そうだった。」
「じゃあ、またあとで会おうかの。」
多聞は去っていった。
「ええ、私は森から行くから、アムールは私についてきて。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
驚きのあまり1分も立ち尽くしてしまった。
え、マジで何なの?1年間猶予をもらったのに、また1年も?まあ、一人のほうが気楽でいいのには変わらないんだが。
とりあえず、近くの村を点々としながら”死の恐谷”に行こうか。
えーと、ここから一番近いのはイルダという村だな。
「フロータースキル!」
イルダ村は・・・お、ここを真っすぐ行けば着くな。
その前に、魔物図鑑を買って・・・。
30分後
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ」
「ん?なんだ?この木みたいな熊みたいなやつは?フロータースキル!」
陸は魔物図鑑をアイテムボックスから取り出した。
「ふむ、これはツリーベアというらしいな。・・・ってそのまんまじゃねぇか!「ぐおぉぉぉぉぉ!」うわ、襲ってきた!よし、実験のために使わせてもらおう。プリッツ!」
その瞬間、ツリーベアの真上に稲妻が出現した。
ズシャァァァァァァァァ
ツリーベアがいたと思われる場所にクレーターができていた。
「やりすぎだろ!ここはスピンにしときゃよかったな。」
結局、その後出てきたのはあの稲妻のせいか、知能の低いゴブリンやスライムだった。ちなみに、スライムはスピンで倒せなかったのでダークフレイムを使うと名前の割に規模が小さかったので、これからも使おうかと思った。・・・で、野宿である。上から見た感じと歩いたときの距離が全然違ったからである。
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「久しぶりじゃな。平野陸よ。おっと、こっちの世界ではリク・ソヴァールだったかの?格好つけすぎだな。」
「ほっとけ。」
「まあ、よい。リクよ。今日は「今日はどんな件できたんだ?」それを今から言うところじゃ!わしの言葉にかぶせるな!」
「ああ、すまん」
「なんでお主はそんなに偉そうなんだ。それで今回の要件なんじゃが、明日、お前が着くであろうイルダ村はある呪いによって苦しめられている。だから、お主はその呪いを解いて、犯人を捕まえろ。それと、その範囲でよいから大量の雨を振らせろ。イルダ村は干ばつで困っておるからの。そこのところ、よろしく頼むのじゃぞ。・・・・・・・・・じゃぞ。・・・・ぞ。・・・・・」
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また、あのジジイが夢に出てきたな。ま、今回はジジイの言うとおりになるかもしれんが、自分で情報を引き出そうか。