第45話 神部屋
明日から4,5日ぐらい投稿できません、すいません。いや、いつも週末ぐらいしか投稿してませんが。そういうことですので。はい。すいません。
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俺はどこを見渡しても真っ白な場所にいた。
ここは・・・あのジジイと会う所とも変なノイズが流れてくる場所でも違った、何かが。
「正弘さん、あなたとは2回目ですね。今日はお盆ということもあって、あなたに何かを伝えたい人が来ています。」
突然現れたソイツは法衣をきっちりと着てメガネをかけており、いわゆる真面目ちゃんのような外見だった。喋り方と外見が一致している。
「えっと、すいません。誰ですか?」
「私のことを忘れましたか?でも、まあ、しょうがないですかね。前は少しの間だけしか会ってませんから。私は地球の神、セルロヴァです。」
セルロバ?会ったことねぇな、やっぱり。
「え?セルロバ?」
「セルロヴァです。ヴァですよ、ヴァです。」
「まあ、そこは何でもいいじゃねぇか。」
「良くないのです。少し失礼しますね。」
そう言って、自称地球の神は胸ポケに入っていた何のがらも書かれていない手帳を取り出し、中をペラペラとめくりだした。
「あ、すいません。会ってはないですが、この名前を見たことはあるはずです。」
一応自分の記憶を思い返してみる。
「ほら、中学校に入る前ぐらいの。」
???ちょっと何言ってるかわかんない。
「ちょっと何言ってるかわかんない。」
声に出してしまっていたらしい。
「わからないのならいいです。ここでステータスを開いてみてください。」
とりあえず言われた通りにしてみる。こんな真面目ちゃんのいうことを聞くのは何か癪だが、こいつの言う俺に何かを伝えたい人が誰なのかも気になる。
「あ、それとさっきからあなたの心の声は聞こえてるんで。何を思っているかも分かっているんですよ、私。」
そうですか!こんな優秀な神様の言うことは聞くべきに決まってるじゃないか。誰だ?「真面目ちゃん」とか言ったバカは?
「はあ。もう何でもいいんで早くステータスを開けてくださいよ。」
またそんなこと言ってーーー。いやよ、神さん。そんなあなたの名前なんてあたくしのステータスに入ってるわけありませんわよ。自称か他称か知りませんがねーー、そんなあなたの名前なんてねーー、あるわけが・・・・
そこまで思ったところで自称神様の眉間にしわが入った。怒ってそうだからそろそろステータスを開けようと思う。
「ステータス。」
<<ステータス>>
名前:平野陸、リク・ソヴァール、坂田正弘、????
年齢:14歳
性別:男
称号:和諧の転生者、元英雄
体力:300(平均:280)
魔力:☆封印☆
神力:☆封印☆
レベル:201
〜〜〜〜〜能力〜〜〜〜〜
☆封印☆
〜〜〜〜〜スキル〜〜〜〜〜
☆封印☆
書いてないじゃないか。やっぱ、あの神、出しゃばりじゃね?
「聞こえてるんですよ!全部。いいから☆封印☆のところをクリックしてください!!」
やはり何か癪である。絶対あるわけないって。そんな自称神の名前なんて。ですわ。あるわけが・・・
☆封印☆:神に、幼くして魔力を使うのは危険という名目で封印された。主犯は産神、共犯は地球を支配する神セルロバ。
ホンマや!!いや、わかってたよ。わかってたけど、このネタやりたかったからキャラまで変わっちゃうような布石を置いたんですよ。そうなんですよ?勘違いしないでくださいよ。初めての大阪弁だから発音がおかしいのもそういうことなんですよ!
「誰に言い訳してるんだ。っていうかわかってたんだったらこの時間無駄だったんじゃないか!!」
おっと、神さん。口調が崩れてらっしゃいますよ。どうしたんでしょうかねー?
「っ!はあ、もういいです。ということであれ?最初の目的、何だったっけ?」
と、そこで下の方からおーい!という声が聞こえてきた。
「あ、思い出した!!ごほん。今日はあなたに伝えたい人が霊界から私に縋ってきたのです。では、登場していただきましょう、この方でーす!!」
どこのテレビ番組だよ!っていうか出てきた人、何か最近見たぞ、写真で。
「坂田芳和さんでーす!!はあ、疲れた。もう後は二人でやって。制限時間は10分だから、時間になったら呼びに行くよ。よくあのジジイはこいつに対応できたな。初めて尊敬するわ。」
うるさい自称神がキャラ爆発させた後、何か知らないけどこの部屋から出て行った。
そんなしょうもないことよりも。死んでしまった父さんが俺の目の前にいるということが一番の問題である。さっき、あいつが霊界とか言ってたから、死後の世界にいたのかな?伝えたかった事ってなんだろう?
「正弘は今、頭の中が疑問だらけになっていると思うけど、僕が伝えたい事は・・・圭織を今まで支えてくれてありがとう。これが一つ目だよ。僕が死んでから正弘と圭織のことは上から全部見てたんだ。正直君が圭織の元弟であのじいさんの持つ世界の元英雄だったことは驚いた。」
そこで一旦区切った。でもなんでジジイ神知ってるのかな?
「ああ、じいさんはセルロバ様の親友だから5日に一回はこっちに顔を出すんだ。」
「あんなやつに様をつけるの、父さん。」
と、そこでガタッという音がしてセルロバが顔だけ出した。
「あんな奴ってなんだあ!?僕はこれでも神様なんだぞ!!それとセルロヴァ!!!」
色々崩れてるじゃねぇか。言いに来たのはそれだけですぐに扉を勢いよく閉めた。
「これでも僕と君を会わせてくれてるんだ。っと、大事な時間を無駄にしてはダメだな。君に大事な話をする。正弘、君は中3ぐらいになると転換期が訪れることになると思う。そこで自分と周りの人をよく知るチャンスが来るけど、嫌な過去から目をそらしちゃいけないぞ。深く深く考えろよ。」
「うん!今までもこんな良い父親は父さんしかいないよ!!」
「そう思ってても石井くんのこともちゃんと認めてあげろよ。・・・」
自分が思っていることや雑談とかを父さんに話しているうちに何か父さんの姿がうっすらと、消えてきたような気がする。
「もうそろそろ時間のようだ。楽しかったよ、成長した息子と語れるのは。僕は上で、ここで見守ってるからな。じゃあな。」
俺が返事をする暇もなく、父さんの姿はだんだんと透明になり、ついには光の粒子となって下へと吸い込まれて消えた。先程時間が来たらここにくると言っていた自称神も全然来ない。しばらくの間一人ぼっちで過ごしていた。
数分後、自称神が走ってやってきた。
「ごめんごめん、急に腹が痛くなってお花を摘みに行ってたんですよ。」
「そうか。お前って女性なのか?」
「神に性とかありませんよ。基本私達はどちらにでもなれます。神界では。人間界では人それぞれに変わりますが。そんなことよりもあなたは少しタグリアに戻れるのではないかと期待している節がありますよね?」
それは・・・カナティアとも会いたいしな。俺の子孫達がどうなったのかも気になる。
「もうタグリアにあなたはいけませんよ。」
「え?」
「行けませんよ。一回行ったことのある世界は二度と戻れませんし(故郷は省く)、最低でも2回までしか転生できませんから。私達のような神様ならともかく、人間は精々2回です。逆に2回行けたら大分凄い方ですよ。」
「そ、そうなのか。」
「そうです。なので諦めて今の最後の人生を精一杯送ってください。もうあなたとも会うことはないと思います。さようなら。」
言い残してセルロヴァは部屋の扉を開けて何かを呟いた。途端に部屋が瓦解する。と共に俺の心の中のどこかが瓦解したように思えた。
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俺はいつものベッドの上で目を覚ました。