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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
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第43話 盆休み!!・・・・・1日前

もういっちょ!!




「今日はお盆休みの前の最後の活動日だ。次はお盆明けだな。体がなまらないように少しは自主練習しておくこと。0よりも1でいいからやった方が次稽古するときにそこまで疲れはしないだろう。」

「はい!」

そう言うと井笠は道場を去った。




残った部員たちは思い思いに着替えると帰っていく。隼人と架澄も正弘とともに道場を出ると食堂を通過して異世界部に向かった。この日はすぐ終わると聞いていたためだった。



「明日からお盆休みだ。間違っても学校には来るなよー。」

「そういう間違いをするのは部長だけです。」



羽山の言葉に突っ込んだ長屋に教室は笑いで包まれた。

異世界部からの帰り道、架澄と隼人は正弘と別れて仲良く帰っていった。







一方正弘はなにをしていたのかというと、

「あ、正弘くん!おまたせ!」

「おー。大丈夫。早く着替えてこいよー。」

「うん!」

練習前、待っててほしいと有沙に言われた場所で有沙を待っていた。




彼は陸上部の練習着に身を包んだ彼女を見送ると彼はあたりをぶらつき始めた。ふと足を止め、真っ青な空に浮かぶ雲を見つめる。ゆっくり動いている大きな雲の隣を小さな雲が追い越していった。


その光景からなにも感じずに彼は元の高さに視線を移した。水筒と靴袋を持った5、6人が目の前を通過していく。




「お待たせー!」

後ろから聞こえた声に振り向き、歩き始める。



「陸上も今日から休み?」

「うん。だからさ、すごい量走らされてさ、足痛いよー。」

「大丈夫か?」

「うん。5000メートルぐらいどうってことないよ!」

「そういえばさ、有沙って種目なんなの?」

「私は中長距離だよ。マラソン?」

「おーすごい・・!」

隣の細身の少女のどこにそんなに長距離走る体力があるのかと少し驚きながら有沙を見つめていた。





「じゃあね、正弘くん!」

「おう、また盆明けな。」

「あ、そうだ。」

そう言うと彼女は正弘のに近づいた。






彼はその行動に意味をわかりかね、少したじろいだ。

「どうしたんだ?」













「好きだよ、正弘くん。」

















それだけ言い残すと彼女は走っていってしまった。




あとに残された正弘はしばらくそこから動けなかった。






(有紗が俺を好き?んなわけねぇだろ。俺の聞き間違いだろう。・・・どうやら俺はカナティアと死に別れてから色恋沙汰に敏感らしいな。カナティア・・・懐かしい名前を思い出したな。あいつは今頃どこで何をやってるんだろう。やっぱりもう死んじゃったのかな?)





正弘はそこから動かないままに空を見上げた。

有紗の告白から昔の妻を思い出した正弘は大分失礼なことに気づかないまま辛気な面をして再び帰路についた。


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