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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
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第20話 「天岩戸」戦法

評価、ありがとうございます。一部一部文章や戦闘シーンが拙い部分もあると思いますが、コメントやブックマーク、感想などもよろしくお願いします。


閑話2と本編は同時進行中です。ご了承ください、閑話2はまだ終わっていません。

結局母さんは説得には難しかったと言って戻ってきた。



時間帯はまだ昼なので海里も友達と遊びに行くのかもしれない。今日一日はおいておこう。一日経てば変わるかもしれない。時間が解決してくれるか、自分でやらなければいけないのかはわからない。ただひとつわかるのは簡単な話ではないということだ。



正広は海里の顔を思い出していた。


卒業式の日、はにかみながら告白してきたあの笑顔、一緒に暮らすことになり、驚いた顔。今はもう、見れなくなってしまった。正広はもう一度、心の中で、決心した。海里の笑顔をもう一度見ると。


部屋を出、物音をさせないようにしながら父親の部屋を訪れる。ノックをし、扉を少しだけ開けて滑り込む。父親はパソコンの画面をそのままに椅子を回転させた。二人の言いたいことは同じだった。


「では、始めようか。」

「ああ。」

「まず海里の慰め方だ。」


「たぶん海里のショックはかなり大きいと思う。」

「唯一慰められるのはお母さんだけ。そして母さんも無理だった。」

「完全に壁を作ったか。これは難しい。」


お互い実体験から考える。しかもふたりとも壁を壊す側ではなく壊される側だった。どんな気持ちで接してくれていたのか、わかった。


「これは徐々に慰めていくしかないな。」

「いや、いったん様子を見ようよ。お父さん。」

「でも、放っておいたらどんどん離れて行きそうだし。」

「「うーん。」」


そのまま頭を働かせること数分、父親があっ、という声を上げた。何か、思いついたのか?


「正弘、お前が小学校の時、海里を助けてくれたことを覚えてるか?」

「もちろん、忘れてるわけないぞ。」


でも、それがどうしたのだろうか?


「お前が海里を助ける時、どうやって助けたんだ?」

「えーと、魔法を使って・・・」


「まだ、気づかないか?

その頃、あいつは俺にマサくんが不思議な力を使って私を助け出してくれた、と言ってたんだ。だから、この力を利用して説得すればいいんじゃないか?」


「いや、残念ながら、それはちょっと無理かも。」

「なぜだ?」

「小学校の時に使いすぎて、神様に封印されちまったんだ、能力を。」

「OH、そうなのか。

いや、でもこういう感じで納得させられればいいと思うぞ。この方向で考えていこう。」

「ラジャー」


そう言ったが、全然思いつかなかった。ここは一回休憩をはさむとしよう。


「休憩してからもう一回案を出していこうよ。」

「じゃ、そうするか。」

そうすることにした。


正弘は部屋に戻るとベッドに倒れ込んだ。そのまま腕で目を覆い、考えた。だが全く案は出てこなかった。


あのときは海里はいじめられていたため、助けがいがあった。だが今回はそんなのではない。もし魔法が使えてもおそらく助けられないだろう。人の暖かさで海里の築いた壁を壊すしかない。


よし、こういうときは日本神話にある「天岩戸」戦法を使おう。困ったときの神頼みである。



天岩戸戦法とは・・・引きこもってる対象の部屋の外でパーティをし、楽しい雰囲気や笑い声で対象の人を部屋から連れ出して仲直りをする、という単純なものである。


おっと、ふざけている場合ではなくて。




結局俺の案が通った(というか俺以外の案にまともなやつがなかった)ので急遽パーティーを開く準備をする。途中、海里の部屋の前を通ると、えっ、何?という声が聞こえた。


家の中がいきなり慌ただしく動き始めて驚いているようだ。


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