第15話 異世界部②
すいません!だいぶ遅くないました。閑話はまだ続いています。
(なんかはめられた感じだ)
「では、この入部届に名前を書いてください。
はい、ありがとうございます。これで入部の手続きは完了でございます。今からはこの部活を見学してください。坂田君。」
何か最後らへんは無理矢理契約書にサインされたような感じになったが、一応裏の目的は達成できたので、あともう一つどこかのクラブに入って、兼部という形にしようと思っていた。
「ところで、部員の紹介をお願いしたいのですが。」
「ああ、ごめんな、忘れていた。部員の紹介をする前にとりあえず、部室の中に入ってくれないか。」
「はい、わかりました。」
そうして俺は一歩を踏み出した。
部室には5人の人がいた。
「では、私から順番に自己紹介を。
私は部長の羽山達人。3年だ。よろしく。そして左から3年の徳井、2年の長屋、2年の名端、3年の山谷だ。」
見たところ男子が4人に女子が一人のようだ。紹介された3人は一通り会釈したものの紅一点の長屋咲也加は優雅にお茶を飲んでいた。
「おい、長屋、礼ぐらいしろ。」
そう羽山に言われた長屋は紅茶のカップを唇から離すと長い髪を押さえながら頭を下げた。
どうも異世界部にいるべきではない人のようにも思える。
(まあ、人は見た目で判断してはいけないとも言うしな。)
「で、正弘君も自己紹介を一通りお願いします。」
もちろん、信用は出来ないので異世界に行ったことがあるということは言わないように自己紹介をしてみた。
「俺は1年の坂田正弘です。趣味は読書です。ライトノベルやアニメは古いものならわかります。最近のものは少しだけですが。
これから3年間よろしくお願いします。
質問ですが、兼部はOKでしょうか?」
「いや、この部では認めていない。部活動に集中してほしいからね。」
そう断言した羽山の言葉に正弘は絶句した。
つまり表向きのクラブがなくなったというわけだ。
(これはやべぇ。どうしよう?いっそ開き直ってしまおうか。・・・いや、無理矢理入らされたということにしておこう!)
「わかりました。ところで、この部活はどういう活動をしているのでしょうか?」
「何!?知らなかったのか!?」
「いえ、知らなかったわけではないんですが具体的にお聞きしようと思いまして。」
俺は羽山の反応を伺った。
すると今まで静かにお茶を飲んでいた長屋がおもむろに口を開いた。
「建前は地球とは別の世界の研究及び生活、食料、生物分布などについて推測することよ。実態は魔法とかそういうのが気になる好きな人が集まっているところ。まあ異世界に行ったことのある人がいないから進めようがないわね。」
(これって言ったほうがいいのか?いや、余計なことは言わぬが仏、か。)
彼女は言葉を切ってからまた話し始めた。
「そもそも異世界なんてないかもしれない。でもそういう本に影響された人が作ったクラブなのよ。だからこのクラブは自分の想像する異世界を自分なりに表現して活動しているというわけよ。創始者の個人情報は謎に包まれているけど。」
という説明を聞いて、他の部員を見渡すと、部長以外は全員驚いて口を開けていた。知らなかったのだろうか。
閑話を一旦、まとめました。「///4」に新しい話がつながってます。
作者名を変えました。「炊飯ジャー」→「ディファー・イーズナイト」