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初投稿です。
短めの連載を予定しています。
私の名前はアリス。19歳。職業はお手伝いさん。
15歳までは普通の子と同じように街のスクールに通っていた。でも、卒業を控えた年の夏に父が病気にかかり、手術をして入院することに。なかなか退院ができなくて、父は仕事を辞めざるをえなくなり収入はゼロ。ちなみに私は父子家庭だ。わずかな貯金は父の手術代と入院費、アパートの家賃でどんどん減っていった。
このままでは持ち金がなくなってしまう……。
そんな現状で切り捨てるものは決まっていた。スクールだ。あの学費がなければなんとか暮らしていくことができる。今は勉強よりも生きることが大事。だから、私は泣く泣くスクールを退学した。
これからどうしよう……。
楽しかった学校生活に終止符を打ち、とぼとぼと街を歩いていた。すると、レンガ造りの建物の壁に貼られた1枚の紙が目に飛び込んできた。
『お手伝い募集します』
条件は15を過ぎた女性なら誰でも可、とのことだった。
これだ!とすぐにひらめいた。
これなら私にもできるかもしれない。スクールを退学して、学歴も資格も取り柄もないこの私にだって。それに、そこそこ時給がよかった。これなら父の入院費を払うことができるし、どうやら住み込みらしいので家賃もいらない。
私はすぐにその求人用紙を持って、募集先の住所へ急いだ。優しそうな男性が一人で面接をしてくれて、その場ですぐに「採用」の言葉をもらった。
あれから約4年――――。
私は、国からこの街の警備を任されている第3護衛騎士団の団員詰所にてお手伝いさんをしている。