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第十章 /後日
翌朝、少女は冷たくなっていた。
起こしに来た母親は、娘の変わり果てた姿に絶叫した。
少女の体は冷たく固まっていた。
しかし体はまるでミイラのように水分がなく、手足はもがいた形で固まっている。
その表情は何かにすがるように、助けを求めていた。
そして母親は気付いた。
部屋を息苦しいほどに満たす、甘い香りに。
香りの元を探すも、見つからなかった。
それから数日後、少女の母親は泣きはらした顔で、少女の部屋を訪れていた。
警察は変死と決めたらしい。
確かにあんな死に方、変死以外はありえない。
ショックが強すぎて、娘の部屋にしょっちゅう訪れていた。
ぼうとしながら、何気なしに机の引き出しを引いた。
そこには可愛い包装紙があった。
手に取ってみて、そこからあの匂いがすることに気付いた。
悲しい記憶がよみがえり、思わずゴミ箱に包装紙を投げ捨て、部屋を飛び出した。
投げ捨てられた衝撃で、包装紙の中から説明書が飛び出ていた。
―その説明書には、こう書かれていた。