第三章 /店内
店と店の間の細い道の向こうに、一軒の店がある。
何故だか足が自然とそちらに向いた。
夕闇の中で浮かび上がるその店は、小物屋らしい。
扉を開くと、ベルの音が店内に響いた。
―いらっしゃいませ。ようこそ我が当店へご来店いただき、ありがとうございます―
店内には一人の若い青年が立っており、深々と頭を下げた。
少女は軽く頭を下げ、店内を回り始めた。
小さな小物が所せましと並んでいる。
アンティークものばかりだが、値段が貼られていないのが気になった。
ふと視線を反らすと、青年と目が合った。
青年は優しい微笑みを浮かべ、頭を下げる。
顔が赤くなるのに気付き、慌てて違う所を向いた時、ある物が目に映った。
可愛らしい色と形のロウソク逹。
―可愛いキャンドルでしょう?―
不意に声をかけられ、驚いて振り返ると、すぐ背後に青年が立っていた。
―当店の人気商品なんですよ。この『ハッピーキャンドル』―
―ハッハッピーキャンドル?―
―ええ。火を付けて、香りを身にまとうと幸せになれるんです―
そう言われ、思わず一つのキャンドルを手に取ってみた。
手の平サイズのキャンドルは、薄いピンク色で花の蕾の形。