クリスマス
雪でも降りそうな寒空を窓から眺めながら、僕は明日のクリスマスの準備をしていた。まだ幼いカノンが楽しみにしているクリスマス。
「あの子のプレゼントは、どうしようね。準さん」
「そうだな。ぬいぐるみなんてどうだ?」
「いいね。きっと喜びそう」
「だけど、今の時間は店はどこも閉まってるんじゃないのか?」
「そうだよね……」
午後十時。今の時期はもうどこも開いてないであろう時間。だけど、カノンの寂しそうな顔は見たくなかった。
「準さん、ツリーの飾り付けお願いね」
「え、あ、クゥ! まったく……」
そう言い残し、僕は作業場へ走った。カノンが起きるまでに、ぬいぐるみを作る。言うだけなら簡単だが、実際にやるとかなり時間がかかる。
「間に合うといいな……」
そう呟き、作業を始めた。
コンコン
「クゥ、入るぞ って、寝てるのか……」
寝てるクゥの傍には、出来上がったクマのぬいぐるみがあった。
「お疲れさま」
そして、クゥとぬいぐるみを抱え部屋を出た。クゥはベッドへ。ぬいぐるみはカノンの部屋へと持っていき、俺も休むことにした。
朝、カノンが起きて喜んでいたのは言うまでもない。