表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でも鍵屋さん  作者: 黒六
プロローグ
1/150

いつも通りの日

完全な自己満足作品です。

愉しんでもらえたら嬉しいです。

 都心の喧騒も少々収まる下町の片隅に、俺の住居兼倉庫兼作業場兼ガレージがある。今日の仕事も終わり、相棒と別れて帰宅したところだ。ガレージのシャッターを下ろして車のキーを抜く。道具満載の四駆が俺の商売道具だ。 腹が減ったが深夜なので、コンビニで買ったカップラーメンでも作って食うか。


 ヤカンでお湯を沸かす間に、明日の仕事の準備にとりかかる。電動工具のバッテリーの確認をして、充電器にバッテリーを差し込んでから、予備バッテリーをいくつか車に放り込む。発電機のメンテに車の確認、小物の補充等、準備を怠らない。こういう準備を忘れる奴は腕前も大したことない。



 相棒からの仕事の依頼書に目を通す。明日の仕事の詳細だ。組んだ当初は大した情報を寄越さなかったんで、いつも現場で怒鳴りあってた。でも最近は漸く解ってきたみたいで、事前情報もかなり詳しく書かれている。


「えーと、明日は…開錠ばっかりだな。それと…何だよ、潜る・・のか、となると泊り仕事だな。あいつ追加料金とってんだろうな」


 ぼやきながらラーメンを啜る。明日はメシの準備もしなきゃならないんだろうな。後でコンビニにでも行っておくか。依頼主へのお土産も忘れないようにしないとな。


 てなことを考えてたら、携帯が鳴った。非通知だ。拒否設定してても掛かってくるのは当然、俺の相棒だ。


『はいはーい、ねえ、明日の仕事は泊りなんだけど、…いつものやつ買ってきてくれない? もちろんお金は払うから!』

「そうやっていつも踏み倒すだろ? いい加減に自分で用意しろよ」

『だって、あんないい匂いさせてる横で干し肉なんて食べられないよ。そのへん解ってる?』

「依頼主の分は用意するけどな」

『私の分は?』

「あるわけないだろう?」

『酷い!』

「お前なあ、俺は色々と必要経費が多いんだよ。少しくらいは自分で負担しろよ」

『あんただって結構もらってんじゃん。少しくらいは面倒みてよ』

「俺のは技術料だ。それだけの仕事はしてるつもりだぞ」

『う…まあそれは否定しないよ…おかげでうちのギルドも評判よくて、予約を捌くの大変よ。受付のリルも泣きそうだったから』

「それは悪いことしたな、リルには何か買っていってやろう」

『だから私には?』

「必要ない」

『ううううう…酒場のツケが溜まってるのに…また貧乏生活か…』

「だからあれほど計画的に使えって…」

『はいはい、お説教はいいですよー。明日もいつも通りの時間にぶからね。じゃあね』


 ひとしきり喋り倒すと一方的に切られる。まあいつものことなんだけどな。…あいつ、またツケまみれかよ。仕方ない、カップラーメンくらいは用意してやるか…


何だかんだでもう3ヶ月、この生活にもだいぶ慣れたみたいだ。こんなことになるとは思ってもみなかったけど、結構充実してるって実感はある。


 さて、明日も早いからもう寝るとするか・・・。

読んでいただいた方、誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作始めました。現代日本を舞台にしたローファンタジーです。片田舎で細々と農業を営む三十路男の前に現れたのは異界からの女冒険者、でもその姿は……。 よろしければ以下のリンクからどうぞ。 巨人の館へようこそ 小さな小さな来訪者
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ