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第2話「救済」

簡単に挨拶を済ませて夕食を食べた後最後に風呂に入った・・・シャワーだけだけどね。

部屋に戻ってもう寝ようかなって思っていたら、携帯が鳴った

「はい、みす・・・鷺宮です・・・」

携帯に出たらついつい本名が出てくる。危ない危ない・・・誰が聞いてるかわからないんだし・・・今度から名前にしよう。

[千早です。久しぶりだね]

電話の相手は千早さんだった

「・・・お久しぶりです。どうしました?」

この人もここの卒業生だったね・・・男なのに

[僕の侍女の史のこと覚えてるかな?]

史さん・・・ああ、千早さんの侍女だからあの小さい子かな?もうかなり前にあって以来だからあんまり記憶にないけど・・・確か同じか1歳上くらい上だったか

「ええ・・・まあ」

[史は今年聖應の3年生にいる。史に君の手伝いをしてもらおうと思ってるだ]

はっきり言ってびっくりだよ。親戚とは全然あってないし・・・半分他人みたいなものだからスルーされるかと思った

「ホントですか!?・・・いやでも・・・でも史さんは千早さんの侍女ですし、迷惑になりそうなので・・・」

そういいながら僕はベッドに横になった

[そういうところは昔から変わらないね。でも君自身、協力者無しで2年間も聖應にいられると思うかい?]

痛いところを突かれた。意地ではないけど、やっぱり千早さんに迷惑になるわけにはいかないと思っていたからかな・・・。

「自ら望んでこの立場に立ったわけではないですが、それくらいは分かっているつもりです」

僕がそういうと千早さんは

[まあ、君のおじいさんから頼まれたって言うのもあるけど、それ以上に君の気持ちに近い物を感じた身としては放っておけないんだ]

そういえば先日親戚の人に聞いた話では母親に強制されて聖應ここに来たと聞いたけど

「・・・好意に頼るほか無いですね」

情けないとは思ってるけど、現実的な問題として・・・

[史は明後日には入れるように手配しておいたから、なんでも頼ってくれて良いよ]

え?寮にも来る?

「え!?でも史さんは千早さんの侍女な訳ですよね?夜はお屋敷に帰って頂いて・・・」

流石に好意に甘えてる側からすれば

[老婆心から言っておくけど学園よりも寮を警戒した方が良いんだよ?こっちはこっちで僕が頑張ればいいわけだしね]

なに!?何があったの!?去年千早さんに何があったの?っていうかここで落ち着けないときが休まる場所が・・・

※昨年千早に何があったかは「乙女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー」を参照して頂くと分かります。



-翌朝

朝、3人で朝食を摂った後、僕は春の穏やかな日差しと桜並木に見送られて乙女の園にとうとう入ることになった。

これから2年間、この学園で生活することになるのか・・・そう思うとかなり憂鬱になる。

まず行くのは学院長室、まずは学院についての説明を受けなくてはいけない。

その前に知らされたクラス分けで僕は2年F組に振り分けられていた。


職員室と学院長室に行って説明を受けた後、学院長室を出るとそこには

「待っていてくださったのですか?」

陽向さんと優雨さんがいた。

「せっかく同じクラスになれたんですから、一緒に行きましょうよ」

と言うことらしい

「かおり、顔色がわるい。だいじょうぶ?」

まあ、瑞穂さんとか千早さんとか近年まれにみる珍事が続いたここ数年ということを学園長室で聞いた僕は若干顔色がわるくなっていたらしい

「だ、大丈夫ですよ。緊張してるだけですから・・・」

いや、本当はかなりヒヤヒヤしているから顔色が良くないみたい。

そんな会話をしながら今年のクラスである2年F組へと向かった。


教室に入る前に僕はメガネをかけた。

顔の印象を変えるためでもあるけど、若干悪かった視力の補正用でもあるフレームレスのメガネだ。


それにしても、もーやだなんというか女の子の集まったにおいってこんな感じなの?

圧倒的レベルで学校の空気が全体的に違う気がする、・・・慣れないと吐き気が・・・でも僕はあと2年ここで過ごす羽目になるのか・・・今更ながら鬱になってきた

「歌織・・・どうしたの?」

なんか、優雨さんににすっごく心配されてませんか?

「いえ、何でもありませんよ・・・ちょっと以前転校したときのことを思い出していただけです」

それでも嘘は言ってない、僕が転校するのは1度や2度じゃないからだ・・・小学校は3年生までオックスフォード(イギリス)だったし、4年生からはフランクフルト(ドイツ)、中学ではヘルシンキ(フィンランド)だったし、日本に帰ってきたのは一昨年だし・・・ほら、仲良くなったらすぐ転校って言うアレだよ。


僕らは陽向さん先頭で教室に入っていった。

一斉にこちらを向く人たち・・・。

・・・・何というか、静寂がこの教室を支配していた。

「なんてお美しい方なのでしょう・・・」

そんな言葉が一言聞こえた後は、何というか・・・黄色い悲鳴と言った方がいいのだろうか・・・まあ想像は出来ると思う。

転校初日は仕方がないことだとは思うけれど休み時間になれば、僕は質問攻めにあっていた。でも、そんなにいっぺんに質問されても、答えられないし・・・どーしてくれよう。

「少々用事を思い出しましたので少々失礼いたします」

こういって逃げるしかなかった。まあ購買部に教科書を取りに行くことになっていたのでそれを済ますために僕は席を立った。


廊下に出ると

「歌織さんは、面白い方ですね」

不意に声をかけられた。ハッと振り向くと僕の隣に座っていた人・・・篠原 歩美さんだったかな

「歩美さん・・・でしたっけ?そうかもしれませんね・・・私はちょっと偏った考えを持っていますから・・・」

優雅な人だ・・・そう思った。着飾るとかそう言う問題ではなく、人から出ているオーラがそう思わせているんだと思う。

「そうではありませんよ。それより購買部に行くのなら案内いたしますよ」

どう違うのだろうか・・・分からない・・・

「そうですか、実は私もどこに購買部があるのか存じ上げない物ですから」

この人はちょっと気をつけた方がいいのかもな

歩美さんと教室を出て僕たちは購買部へ

「私、人のイメージは色だと思っているのです。この学園の方はある意味似たり寄ったりですが・・・貴方はちょっと変わった色をしているのですね」

歩きながら歩美さんの話を聞いていた

「変わった色ですか?」

彼女は何か不思議な雰囲気を持っている。

「他の方はオレンジや暖色系が多いのですけれど・・・貴方は男性に多いブルー・・・それも珍しい群青色ですね」

ばれた!?いや・・・まてまて、ばれてはいない?・・・それどころかイメージでしかないわけだから、そんなに動揺することでは・・・。

「群青色ですか確かに私の瞳は群青色ですが・・・やはり分かる方には分かるのですね、確かに私は昔からお転婆ではありましたが」

仕方なく言い訳するしかない、いや半分は事実だね。

「そうなのですか?私にはそうは見えませんけれど」

「まあ、私はお転婆ではありましたが厳格な父の教育でお淑やかであり、お転婆でもあるという全くやっかいな人間になってしまったのです」

正確にはちょっと違うのだが・・・まあ当たらずとも遠からずだろうな。

「さて、ここですよ」


結局、僕は戻っても質問攻めにあった・・・。



-放課後の寮の自室-

つ・・・疲れた。

何が疲れたって?部活動の勧誘ですねちょっと活気ありすぎじゃないでしょうか・・・。


でも、収穫はあったかな

昨年のエルダーだった千早さん(僕の親戚)の妹だったと言う3年生の方がいた。

哘 雅楽乃お姉さま、通称「御前」と慕われているらしい。


実は僕の編入前に千早さんに電話をもらっていて、僕のフォローを頼まれていたらしい・・・なんという手回しの良さ・・・そして圧倒的なカリスマ性で生徒を引きつけていたんだな・・・あの人。

「お姉さまから聞いていたとおりの方ですね、困ったことがあったら何でも相談していただいて結構ですよ、私はあなたの姉ですから」

頼りがいがありそうな雅楽乃お姉さまの言葉が僕の脳裏によみがえった・・・因みに僕のことは全部話して協力して貰っているらしい。

「雅楽乃お姉さま」って呼ぶの慣れるかな・・・確かにお姉さまからすると自身のお姉さまの親戚で妹のような存在のように見られている訳だし、僕が呼ばないのはちょっと失礼に当たるし・・・それにしても名前+お姉さまという組み合わせはどうも慣れないと思う。


-コンコン-

「歌織ちゃん、いらっしゃいます?」

ノックの音、陽向さんだった。

「ひゃっ・・・はっはい!」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまった

「どっどうかしましたか!?」

なんか変な誤解でも招いたかな・・・

「いえ・・・何でもありませんよ、何でも・・・」


そういって僕はドアを開けた。

「新入生の皆さんも集まりまったので、入寮式を始めますから降りてきてください」

そういえば今日がその入寮式だった

「分かりました」

そういって僕は食堂へ向かった。

私用のため投稿が遅れてしまっていました。申し訳ありません。

次回以降は最低でも月に2回くらいは投稿したいと考えております。

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