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「お兄ちゃん、お野菜食べるかい?」

作者: 量産三型
掲載日:2026/02/22

その言葉と行動に自分の体が固まる。

「お兄ちゃん、野菜食べるかい?」

敬語が消えた!?

…いや違うそうじゃない!

何なんだこのおじさんは!?


見た目はハゲ、体には腹巻きを着けた、見るからに見本例なおじさんが、黒く四角い物を汚い物を触るかのように持ち、自分に見せつけてくる。

明らかに野菜とは思えない物体であり、強いて言うなら板チョコにしか見えない。


何なんだこのおじさんは!??


しかし、その場に止まってしまった影響で、更におじさんは呪文の様に言葉を続ける。


「お兄ちゃん、おさい食べるかい?」


自分が固まっていると、次から次へと、最初に発した言葉とは絶妙に違う言葉を話してくる。


ヤバい人だ、逃げなきゃ!


ようやく、頭に危険信号が届き、その場の異常さを理解するが、


「お野菜見える?」


更におじさんは近づいて、"お野菜?"を見せつけるように自分の顔の前に近づける。

その行動により、自分は尻もちをつくしかなかった。


自分の行動に反応するかのように、更におじさんは自分に近づき、"お野菜?"を持つ手と反対の手を自分の顔の前に近づける。


おじさんの行動に、応えるかの如く、おじさんの腹部に拳を回転させ、プロボクサーのようなストレートをかます。


「うにょぉぉぉお!?!?」


自分でも変に思う声が辺りに響くが、恥じらいはなく、ストレートが命中したことへの喜びが自身の頭に埋め尽くされる。

それと同時に、一気に冷静さを取り戻し、その場から、自身の人生でこれ以上にないスピードで走り出す。

頭の中は、先程体験を思い出すことはなく、その場から逃げ出す事ことで一杯になる。


「ウゴウゴゴ!?」


おじさんの声と思われる音が遠くなるが、


「痛いな!!」


大きな声と共に、一瞬で自分の前に立つ

自分はその出来事に驚く暇もなく、"お野菜?"が目の前に突っ込んでくる。


「痛い!!」


ガタッと体を震わせ


「…?」


あたりを見回した


「学校?」


目の前には大きなため息を吐く、男性が一人、腕組みをしながら、こちらを睨んでくる。

周囲にはこちらをニヤニヤしながら視線を向けてくる。

?彼の手に持っているのは、自分の財布だ。


「何で自分の財布もってるの?」


彼はさっきよりも大きなため息をつき、周囲には笑い声があがる、


「お兄ちゃん、お財布はいるかい?」

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