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その元勇者、暗躍につき  作者: シシオドシ


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6/10

運動会の選手決め

「のんちゃん待った?」

「ううん、今きたところ!」


 株取引を無事母上殿に了承してもらった翌日。お決まりの朝のルーティンを幼馴染ののんちゃんとして、今日も今日とて小学校へ登校する。

 すでに小学校へ行くのに違和感を覚えなくなっている不思議。


「いっくんのクラスは今日たいいくある?」

「うん、3校時目。運動会の選手決めをするって言ってた」

「いっしょだ!」

「のんちゃんは足が速いから代表リレーに選ばれるんじゃない?」


 歩きながら来月開催される運動会の選手決めの話をする。

 俺がのんちゃんならリレーの選手になれるよと言うと、のんちゃんは二つの髪の毛尻尾を可愛らしく揺らし頭をこてんと倒した。


「う〜ん、3年生になってはじめて走るから、だれがはやいかわかんない」


 確かに3年でクラス替えになったので、クラスの中で誰が速いかはわからないかもしれない。

 だがのんちゃんはまず間違いなく選ばれると思う。

 だってそもそもクラスがどうこうじゃなく、のんちゃんは学年トップのスプリンターだからだ。一位はどのクラスに行っても一位だからね。


「のんちゃんは速いよ。うん間違いない!」

「いっくんがそういうならガンバル!!」

「うん、ファイトだよ」


 俺が応援すると告げるとのんちゃんは両拳をむんと振り上げる。

 なんとも可愛らしい仕草についほっこりしていると、のんちゃんから思いがけないリクエストが来た。


「だったらいっくもいっしょにリレー出よ」

「え?」


 俺は間の抜けた声を出す。

 のんちゃんの言っていることが分からない訳じゃない。単純にそれを考えていなかったから不意をつかれた形だ。


「僕が?」

「うん、いっくんも!」


 ニコニコ顔ののんちゃん。

 どうやら俺にもリレーの代表をご所望のようだ。

 

 さてこれはどうすべきか?

 因みに俺がリレーの代表になれるかとどうかといえば、なれる!

 そもそも俺には勇者ぱわぁがあるからな、本気で走ったら新幹線並の速さで走れる。

 とはいえそんな速度で小3が走ったらどうなるか。うん化け物だ。

 なら勇者ぱわぁに目覚める前の俺はどうかと言うと、まぁ普通だった。

 速くもなく、遅くもなくって感じ?


 そんな思考にのまれている間ものんちゃんが期待する眼差しが突き刺さっている。


「分かった!」


 反射的に答えてしまった。

 

 仕方ない、可愛い幼馴染の期待には応えなければならない!!



 

 体育の授業になった。

 予定通りこれからリレーの選手を決めるための50m走が行われる。


 ここで重大な問題が発生。


「のんちゃんに大見得を切ってしまったが、これはどうすればいいんだ?」


 そう、リレーの代表になる方法で悩んでいる。


 リレーは各学年各クラスが代表を選出して4チームに分かれて競う。

 各学年4クラスなので代表になれるのはクラスからは一人だけ。


 そこで問題になるのはクラスで一位になることではない。単純に一番速く走るだけなら簡単だが、速ければいいわけじゃなくそこはバランスと言うものが大事だ。

 ぶっちぎってしまっては変に目立ってしまう。ただでさえ勇者ぱわぁが異常で隠さないといけないのに、自ら変に思われるようなことは避けたい。

 これが一斉によ~いどんだったら良かったんだが、何回かに分けてタイムで競うのだから加減が難しい。



「代表は佐藤くんになりました」

「はやかったね。こういちくん」

「ぼくもまけちゃったよ」

「がんばってねぇ」


 意外とどうにかなった。

 勇者の体内時計は殊の外正確だったらしい。


 見事二位とはコンマ5秒差という僅差で代表になった。

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