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星の記憶 ー 十二幻想記 ー  作者: ぶれ
第3章:星の門

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第7節:失敗


夕暮れ、ライルは宝物箱から雷石を取り出し、そっとポケットに忍ばせた。

森の薄明かりの中、角の光を意識しながら力を揺らす訓練を始める。

雷石の微かな振動が、手の感覚と光の揺れを連動させ、制御の手助けになった。


しかし、興奮と恐怖が混ざるにつれ、角の光は不規則に強く脈打ち始めた。

雷石も反応し、指先から熱と振動が伝わる。

(……止めないと……)

ライルの胸の鼓動と光の揺れが同期し、森の影に小さな閃光が走った。


「ライル!」

背後からエルシュの声が届くが、振り返る余裕はない。

角の光が一瞬、大地を揺るがすように強まり、雷が森の茂みに落ちた。


乾いた葉や倒木に火花が飛び、炎が燃え広がる。

「まずい……!」

ライルは雷石を握りしめ、逃げ場を探す。森の湿った谷間に駆け込むと、角の光は少しずつ落ち着き始めた。


そこへ、別の種族の村人が駆けつける。

水生種族の青年が手から放つ透明な水の流れで炎を押さえ、火の勢いを和らげる。

水が火を包み込み、蒸気となって森に立ち上る。

その光景を見て、ライルは初めて力が制御される安心感を味わった。

自分の力も、きちんと向き合えば、守ることもできる――その予感が、胸の奥で静かに広がる。


「雷石の扱いはまだ早いな……でも、君の力は少しずつ安定してきた」

エルシュの声がそばで響く。角の光と雷石の振動が、静かに落ち着いていく。


火は水と湿った土の力で鎮まり、村人たちが後始末を始める。

焼け焦げた倒木を運び、燃え広がらないように周囲を整理する。

ライルはその様子を遠くから見守り、心の中で深く息を吐いた。

(……力を持つことは、怖いだけじゃない……守れる力でもある……)


森は静けさを取り戻し、雷石の微かな振動が、ライルの手の中で落ち着きを取り戻した。

角の光も、森の影に溶け込むように穏やかに脈打つ。

少年は初めて、自分の力と責任、そして仲間たちの助けを意識したのだった。

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