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プロローグ
彼は子供の頃、特撮ヒーローの番組が大好きだった。
「行けー! 怪人ナマズンコ! 正義の味方をやっつけるんだっ!」
特に悪の組織が大好きだった。
『お、お許しください。総帥様!』
『残念だが、作戦の失敗の責任は取ってもらわなければならぬ。おしおきだっ!』
『総帥様!』
「うんうん。やっぱり悪の組織といったらおしおきだよな」
悪の総帥も、悪の女幹部も、悪の怪人も、悪の戦闘員も大好きだった。
彼は周りの大人に『いつか悪の組織を作って正義の味方と戦うんだ!』と宣言するような子供だった。
そして、やがて彼は成長し、彼は子供の頃の夢であった悪の組織を作りあげた。着々と侵略は成功し、悪の組織は大きくなっていった。
しかし、彼にはある悩みがあった。