ザろーどおぶふぁみリア 起きろ
『友達』になりませんか、 そうmotherは私に言った。
しかし、 私には『友達』がわからない。
どうすれば、 motherの思うようになれるのだろうか。
魔力が尽き眠る彼女の横で私は、目醒めて初めて悩んでいた。
「レンジアさん、 レンジアさん。」
「どうしたんですか、 ザリアちゃん。」
……ザリアというのは、私の通称名だ。
《the road of Familia》の頭と後ろの2文字を取って、 『ザリア』となっている。
私にそう命名したのは他でもない彼女、レンジアだ。
本人曰く「女の子らしくていい名前だと思うわ!」とのこと。
私も可愛らしい名前で、とても気に入っている。
………そんな私にも『友達』のように接してくれている彼女に、私はこう問いかけた。
「『友達』って、なに?」
「友達、ですか?」
「そう。 『友達』。」
「えーと、ですね…。 私は、一緒にいて楽しい人の事だと思います。」
「楽しい……」
「はい。 私は明暗さんと一緒にいて、楽しかったので。勿論、ザリアちゃんもです。」
「……わかった。 ありがとう、レンジアさん。」
「どういたしまして〜。」
『友達』……『友達』ってなんだろう…?
そう考えながら、一人城の中を歩き回る。
答えの一つも浮かばないまま、目醒めた日から一ヶ月近くも経ってしまった。
motherは未だに目覚めない。
医者でも原因不明らしく、手出しが出来ないらしい。
………そんな目覚めぬ彼女の事を思いながら、考える。
『友達』とはなにか。
答えの出ぬ存在に、私は今日も問いを投げかける。
今日こそ、彼女に届くと信じて。
遅くなりました。
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