shorts≠shorts 覚は無意識を覚る 前
エイプリルフール企画です。
4話「貴方の願いを」にて、レンジアが別の方向の願いを明暗に伝えたら?といった感じのIFストーリーを作ってみました。
「それではレンジア様。この店は願いがほぼ全て叶う店、暗明堂。貴女の悩みや願いを聞かせていただければ、ほぼ全て叶えてみせましょう。」
私の、悩み、ですか……。悩みはあるといえばあるのですが、自分で解決出来るような物しかありません。でも、願い、なら…一つはあります。それは…
「独り、になりたいんです…!」
「…どうして。」
「…今度、隣の国の皇太子様と婚約するんです。」
「………」
「私は…別に結婚なんか、したくありません。するぐらいなら…いっそ…」
「ひとりに………」
「………あるにはありますが…」
「…あるんですか?」
「………少々お待ちください。」
そう言って彼は店のバックヤードに行きました。それから少しして彼が戻って来ると、彼の手には一つの箱がありました。
「…お待たせしました。…『凍る無意識』です。」
「………なんですか、それ。」
「これは、誰にも認識されないようになる、砂糖菓子です。」
「…ください。」
「…本当に、本当にいいんですね?」
「はい。もう、私に…頼れる物はそれしか無いんです。」
「ただでいいです。」
「…いいんですか…?」
「その代わり、クレームは受け付けませんよ…。」
「くれー…? わかりました。では。」
「………ご来店、ありがとうございました…」
そういった明暗さんの顔は、酷く、酷く悲しんでいました。
あれから、すぐにお城に帰りました。「暗明堂」に行ったことはお父様に報告しませんでした。お父様に内緒で高級なはずである砂糖菓子を貰っているなんてばれてしまったら、食べられてしまうからです。ともかく報告はせずに寝ることにしました。
心が読めるようになる砂糖菓子を貰って数日が経ち、隣の国の皇太子様に会う日がきました。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
…貰った砂糖菓子を、口にいれます。
「ゔぇっ」
とても、苦いです。これは本当に、砂糖菓子何でしょうか…?
「王女様、皇太子様がいらっしゃいました。」
メイドが呼びに来ました。慌てて飲み込みます。
すると、
「開けますよ〜!って、あれ、いない…。どこに行ったのかしら。」
…見えていないようです。お菓子は、本物でした。
これで、私は、自由です。
…夜に、なりました。
ぐー、とお腹がなります。
朝も、昼も、何も食べていません。
それどころか、水も、飲めていません。
お城の人たちに話しかけましたが、勿論反応してもらえませんでした。
いつも、ご飯はメイドが持ってきてくれるので、どこに食べ物があるのか、わかりません。
ああ、私は、このまま、しんで、しま、う、ので、しょ、う、か…
「お……様!王……ま!王女様!大丈夫ですか!!」
この、こ、え、は………
「え、ら…?」
「はい、はいっ、エラですよ、レンジア様っ!」
ああ、そうだ。
私の専属の、メイドさんの名前は、『エラ』、だったな…。
なんで、忘れてたんだろう…。




