schadenfreude ②
「…では、これでルール説明は終わりです。お二方、準備はいいですね? それでは…試合、開始です!」
試合開始の合図とともに、一回戦目が始まった。
「…彼、本当に強いのですか? 立場が上の人間にあのようなおちゃらけた態度をとる奴に、ラステリカ様が負ける気がしないのですが。」
「さぁ、どうだろうな。見てればわかるだろうさ。彼の強さが俺の思い違いだったかはね。」
「…来ないのか?」
俺は、そう対戦相手、確か明暗とかいう奴に声をかける。
「剣はあいにく使い慣れてなくてね。まぁ、魔法も使えないんだがな。」
…舐めてんのか?…まあ、いいだろう。
「来ないのならば…、」
「お?」
「先に行かせてもらう!」
そう声をかけながら、俺は斬りかかる。
が、いつまでたっても当たる感触が無い。
「な、にが…?」
「…ラステリカ様、場外に出ておりますが…。」
そう声をかけられあたりを見回すと…
「お前、何をしようとしてたんだ? 剣を振りながら後ろ向いて走ってくなんて。」
練習場のステージから離れ、俺は客席の方にいた。
「ハイド様!? 何が起こったのですか!?」
「分からん。本当に、わからんのだ…。」
明暗に真っ直ぐ斬り掛かっていた筈のラステリカは、気がついたら場外に走っていた。それはまるで…
「場所をひっくり返されたみたいな動き方だな…。」
「…? どういうことです?」
「ほら、そこを真ん中にしてぐるっと半周させると、明暗の真ん前につくだろ?」
「あ、本当ですね。」
『その通りでございます、ハイド様。』
気がついたら、後ろに「ロッレ」という明暗側のメイドらしき人物が立っていた。
「…」
「い、いつの間に後ろにいたのです!?」
『驚かせてしまい、申し訳ありません。明暗様から伝言を頼まれておりまして…』
「なんだ?」
『〔弱っちいのはもういいから、一番強い奴を出せ〕とのことです。まあ、単純に時間かかりますしね。』
「…わかった、が、こちらからも条件がある。」
『なんですか?』
「絶対に回避出来ないような物は使わないでくれ。勝負にならない。」
『…、…、……………。わかりました。伝えておきます。では、ご武運を。』
「…皮肉かよ。」
「……ほんとうに、私は明暗に勝てるのです……?」
あんまり勝負にはなってない気がしますが、次回が本番です。
次回 前回と一緒




