しかし、賽は投げられた すずな
…試合まで、残り3日。…正確には、残り2日と数時間。
「ふぁぁぁーーー。眠いなぁーーーー。」
「……明暗さん。本当に何もしなくて大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよぉー。…寝ようかなぁ。」
「………心配なんですよ…。明暗さんが負けてしまったらどうしようかって…」
「……大丈夫だよ。私が負けることなんて、100%あり得ない。じゃあ、おやすみ。」
「…………心配だなぁ、…ファウストちゃん。来週、会えるかなぁ。」
私は、一人そう呟きました。
「やっと完成したのです!」
「…何がだ?」
「あ、ハイド様。…遂に! 完成したのですよ! 私のオリジナル魔法が!」
練習場の地面には、魔法を唱えたあとの泥や火が散らばっていた。
「……おお、すごいな。で、何ていう名前にしたんだ?」
「『the road of Familia』にしたのです! かつての勇者が伝えたと言われている、全属性の魔法の名前を拝借したのです!」
成る程、勇者の語録から引っ張ってきたのか…って!
「え!? オリジナル魔法、全属性なのか!?」
「そうなのですよ!」
「…………おい! ラステリカ! ラステリカ! ワントが遂にやらかしたぞ!」
事の重大さに耐えられなくなって、遂に友を呼び出すことにした。
「…………で、本当に全属性なんですか?」
「本人はそう言い張っているぞ。」
「ラステリカ様、信じてくださいなのです!」
「…まあ、一回使ってみせろよ。見ない事には判断が出来ん。」
「…って言ってますけど、ハイド様、やっていいんですか?」
……使わせてみるしかないか。
「…いいぞ。やってみろ。」
「……はいなのです! 『迷える主神に仕えし愚かな従神は、今ここに堕天し、主神に反旗を翻す、のです!《the road of Familia》!』これが、私の全力なのです!」
煙が晴れた練習場には、まさに『神の降臨』を体現したかのような光景が広がっていた。
(╹▽╹)ナンカヤッテルゼイ
( ・∀・ )これは…泥か? 凄い量だな。
(╹▽╹)マ、ワレワレノショウガイニナルホドツヨクナイナ。
( ・∀・ )ああ。放置でいいだろう。…お前の主にも伝えておいてやれ。
(╹▽╹)リョウカイ。
〈マスター、緊急の要件があるのです………〉
「………なんだ?」
〈実は………〉
2月になったので、また投稿再開します。
次回投稿 2月の前半




