しかし、賽は投げられた なずな
「…さぁ、言い訳はあるか?」
成る程。そこを証拠として出してきたか。まぁ、想定外ではあるけど、対応出来る範囲だな。…というか、
「証拠も何も、私言ったじゃ無いですか。『何をしてほしいんですか?』って。…で。」
そう区切った後、言葉を続ける。
「私に…、犯人である私に、何をして欲しいんですか?」
「娘を返せ。俺の要求は、それだけだ。」
…まあ、そうだろうな。というか、ここで『金を寄越せ』とか言ってきたらそれこそ問題だ。
「って言われて、すんなり返すと思います? 何の為に貰ったと思ってるんですか。」
本当の理由はお前にある、と言ったら、どんな顔をするだろうか。
「……なら、どうすれば返してくれる? お前に何をすれば、娘は戻ってくるんだ?」
「…そうですねぇ。…、…、…、…、…。わかりました。では、こんな条件でどうでしょうか。この国で一番強い人間と戦わせてください。」
「…なんだと?」
「それでもし、そちら側が勝ったら貴方に娘を引き渡しましょう。」
…言ってる事が悪人のそれだな。
「………言ったな? 後悔するなよ?」
「ええ。構いませんよ。むしろ、貴方が後悔なさらないように。」
「…チッ 相変わらず、ナメた態度だな。」
「それが私の生き方なので。…日付は……、そうですね…。………、……?! では、十日後にしましょうか。場所はお好きな所で結構ですが、もし、この準備時間中にここに被害を加えた場合は…わかっていますね?」
「…あぁ。」
「お互い、フェアにやりましょうね?」
手を、差し出す。
「……逃げんなよ?」
手を、握られる。結構痛い。
そうして、人の命の掛かった試合が決まったのだった。
『…で、ますたーはなんでわざわざ、自分の実力を晒すような舞台を用意したのですか?』
「……すみません。」
『謝る必要は無いんです。理由を聞かせてください。』
「……………いや〜、お前に剣技とか魔法が出来るようにしてやりたくて。データが取れないかなー、なんて。」
『……………そういうのは嬉しいですけど、心臓に悪いのでちゃんと事前に報告してください。いいですね!』
「……顔真っ赤だぞ。」
『煩いです!』
〈夫婦喧嘩みたいになってるですよ、お二方〉
『…っ、煩いです煩いです! もう! 私は作業をしてきます!』
「……複雑だな…。」
〈なんか言いましたです?〉
「なんでもない。さーて、寝るか〜。剣だろうが魔法だろうが、どのみち勝てるし。」
…複雑?
次回投稿 未定 多分1月
追記
祝!40話! \(╹▽╹)/イエイ!




