しかし、賽は投げられた せり
「……なんともないなら、私は帰るぞ。」
間違い無い。こいつが、あの店員だ。
「おい、ちょっと待て。」
「……なんですか? 私今、突然の大声で起こされて不機嫌なんですけど。」
「…お前、暗明堂の店員だろ?」
恐らく、認めないだろう。認めたら、間違い無く状況が悪くなる。
「……そうですよ。だからなんですか?」
「認める…のか…?」
「ええ。私は暗明堂の店員です。で、なんですか? 早く寝たいんですけど。」
こいつ、悪びれる様子もなく認めやがった。…それなら、このまま直接問い詰めてやる。取りあえずは…
「お前が俺に売った杖について、話がある。………店に、入れろ。」
「どうぞ、応接間です。ここで少しお待ち下さい。」
「どうも。」
…どう見ても人の見た目をしていない物に、店の奥の部屋に案内された。…怪しすぎるだろ!どう考えても、店の外見の奥行きにあってないぞ。何なんだ、この店。何かがおかしいぞ。
ガチャ
「あ、そうだ。お茶、いります?」
「……遠慮しておくよ。」
いや、怪しすぎるだろ!? 飲むか!
「お待たせしました。改めまして、私が暗明堂の店主です。で、杖について聞きたい事があるとか。何か不具合でも?」
…名乗らないのかよ。あいも変わらず態度が悪いな。
「ああ、説明してなかったな。不具合は無かったさ。むしろよく仕事をしてくれた。」
「…………」
「なあ、俺の娘、知らないか? 杖の魔法は、お前が犯人だと言っていたが?」
どうだ…?
「………成る程。成る程成る程、成る程成る程成る程。その通りですよ。えぇ。それで? 何をしてほしいんです?」
「俺の娘を返せ。言いたいのは、それだけだ。」
「…そもそも、名前を覚えているんですか?さっきから娘としか言いませんけど。」
…っ痛いところを突いてきたな。でも…
「覚えてないさ。忘れてしまったよ。しかしな、お前のところにいる証拠はあるんだよ。」
「ほう?」
「これだよ。……ここに書いてある文字、お前んとこの商品の文字だよな? …さぁ、言い訳はあるか?」
少しばかり短いですが、これでご勘弁。
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