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天邪鬼の異世界雑貨屋  作者: 15夜
王様は逆夢を見るか?
32/60

Lost frame 2  私

「私は天邪鬼。お前みたいな半端者を助けてやるから、有り難く思え。」


 私の目の前に現れた「それ」は、そう、私に言った。


「半端者?」


「……自分がどんな生き物かもわかってないのか? そいつはお笑いだな。」


 …とても、性格が悪いようだ。


「私は…自分は何かすらもわかりません。」


「ケッケッケ。しかも、一人称は『私』ときた。…お前、本当に男か? 姿といい、話し方といい、女にしか見えないぞ。」


 ……心が、痛い。痛い。痛い。痛い。

       痛い。痛い。痛い。痛い。

       痛い。痛い。痛い。痛い。

       痛い。痛い。痛い。痛い。

       痛い。痛い。痛い。痛い。

       痛い。痛い。痛い。痛い!


「わっ! こんなんで泣くなよ! おい! おいってば! 悪かったって! ほら、泣くなって…」









「…落ち着いたか?」


 軽く、頷く。


「…さっきは、悪かった。まさか、ここまで深刻だとは思わなかった。」


「……気にしないでください。」


 今、この人の印象は最悪だ。もう、顔も見たくないくらいには。

 でも、この人は、私について、何か知っているかもしれない。

 話を、聞かざるを得ない。聞くしかない。


「…お前の状況について、説明しよう。恐らく、お前は今自分がどうなっているかを知らないんだろう。」


 耳を、少しこの人に傾ける。


「簡潔に言えば、お前は異世界に行き損ねたんだ。クラスメイトのお陰でな。」


「?」


「まあ、分からなくても無理はない。こう言えば少しはわかるか?」


 耳を、傾ける。


「お前は、クラスメイトから共に異世界に呼ばれることを、拒否されたんだよ。」


「そんなこと、出来るの?」


「それがな、出来ちまった。だから、お前はここにいるんだ。最近違和感は無かったか? それこそ、この世界の定義を変え得るような特大の奴だ。」


 ある。むしろ、違和感しかない。

 その真相を聞くために、この人の話に意識を傾ける。


「ある。ありました。沢山、それこそ、数え切れないほど。」


「だろうな。あ、何があったか、とかは聞かないぞ。時間もないしな。」




「だが、一つ確認したいことがある。」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「!?」


「やっぱりな。」


「な、んで?」


 なぜ、それを知っているのか。私には、理解が出来なかった。


「それをどうにかするのが、私の、天邪鬼の仕事さ。」


「どういうこと?」


「お前には、異世界からもたらされた能力がある。そいつを天邪鬼の力で送り返すと、お前は日常生活に戻れるはずだ。」


「本当に、戻れるの! あの、いつもの平和な日常に!」


「お前が望むならな。じゃあ、取りあえずどんな能力か調べるぞ。」







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「出たぞ、お前、の、能、力、は、? なんだよ、これ!」


「どうかしたんですか?」


「いいか、落ち着いて、心穏やかに、よく聞けよ。」


「お前の、能力は


























逆転世界(リバース)

万物をひっくり返す。存在からりんごまで、ありとあらゆる物を対象にとれる、天邪鬼の固有能力。物をひっくり返すには体力を使うが、消費する体力は道理を曲げる影響と本人の個人差による。

筆が進む。

本編は多分次回ですよぅ。


次回投稿 1月のどっか

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