無色の夢にさよぅNaς@
「あれ、ハイド様。何をお持ち帰りになられたのですか?」
「…ちょっと友人の杖を預かってね。」
「私がお持ちいたしましょうか?」
「いや、大丈夫だ。」
「左様でございますか。」
城に帰ってきた俺は、なんとかこの杖を、無色の夢を自室に運んだ。途中誰にもこの杖は触らせていない。全ては、もはや名前すらわからない、居るはずの娘の為に。
「願うったって、どうすればいいんだ?」
店員には杖をそのままポンと渡されたので、勿論説明書きはついていない。
「取りあえず、何を願うか決めるか。」
そう呟きながら、考える。
確かに杖に願えば確実に娘は戻ってくる。
でも、本当にそれだけで良いのだろうか。
誰が娘をこの世界全員の記憶から消したのか。
この杖なら、わかるのでは無いのだろうか?
杖に願えばきっと、記憶を消した者の正体がわかる。
そうすれば、そいつの企みを確実に止められる。
そいつを止めなければ、娘はまた消えてしまうかもしれない…。
いや、もしかしたら、娘は消えていないかもしれない。
娘に面識も無いやつが、わざわざうちの娘だけを消すとは思えない。
もし、万が一消えてないんだとしたら、娘はそいつの所にいるのだろう。
きっと、そいつのそばで悲しい想いをしながら俺が助けに来るのを待っているはずだ。
…あれもこれも、そいつが誰だかわかれば全てが綺麗に解決する。
だから神様、どうか、どうか、娘を消した者を俺に教えてください。
お願い…だか…ら…
tear is drop .
colorless dream is unrocked .
そう願った時、杖が光り輝いた。
「なんだ…?」
杖の光はやがて壁に当たり、光で映像を見せてきた。
「うそ…だろ…?」
そこに映っていたのはなんと、無色の夢が売っていた店の店員だった。
…無色の夢は、砕け散った。
無色の、夢に、さようなら。
若干フライング気味?
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