荒唐無稽な最強モドキの天邪鬼
5分くらいしたあと、明暗さんがご飯を食べに戻ってきました。
「…ただいま。」
「…………おかえりなさい、明暗さん。お客さんはどんな人でしたか?」
「…………………………………………………………………………………………聞きたいか?」
「そんなに貯めますか!?」
え、聞きたいような、聞きたくないような…。
「まあ、聞きますよ。で、どんな人でしたか?」
「…………ここの国の王様。」
「へー、なるほど…って!私のお父様じゃないですか!」
「だから聞くか?って言ったんだよ。聞きたくなかっただろ?」
「いや、後悔はしてませんけど…。本当に大丈夫なんです?ここ、お父様にバレちゃったんですよね?」
「そうだな。でもまあ、なるようになるさ。あはははは。」
「あははははじゃないですよ!?もし私が連れ戻されでもしたら、明暗さんの命も危ないんですよ!?」
この人、命の危機かもしれないときにふざけ過ぎじゃないですかね。今まで、どうやって生きてきたんでしょうか。本当に心配です。
「私を忘れたのか?天地を引っくり返す最強の魔人モドキ、天邪鬼だぞ?大丈夫に決まってるさ。」
「そういえば、そんな設定ありましたね。本当なんですか?」
「………疑うのか?」
「いや力が凄いのは知ってますけど、本当に最強なのかなって…。私今まで、家を出現させるとか部屋を入れ替えるとか、家関係しか使ってる所を見てないので。」
「(…その程度の認識が一番気楽でいいよ。)」
「…? なんですか?」
「なんでもないさ。…ご飯食べ終わったらシンクに入れるんだぞ。いいな?」
「はーい。じゃあ、ごちそうさまでした。」
「どうも。」
無色の夢 不良在庫(解消済み)
材質不明の白くて長い杖。
自分の持っている願望エネルギーを使って願望を叶えることができる。ただし、エネルギーになった願望は無くなり、思い出せなくなる(叶わなかった場合でも、思い出せない。)。また、使用者の願望が叶えられるかは、その願望の難しさと規模の大きさなどによって杖が判断する。
値段 50万レド
・願望が危険だった場合でも、《大逆転世界》以外では世界を元に戻すことが出来ないため、即刻処分すべきである。
↳使うことが出来るほどの大きい願望を持つものが少なくなったため、この商品は不良在庫とする。
↳思いついた!新店舗第一号の客に売りつけよう!
「…………ますたーをあとで問い詰めなければ…。まさか、元々即処分対象とは思いませんでした…。」
〈危ないものなのに売ったのですかー。お父様には何か作戦があるのですかー?〉
「ないと思いますよ。ますたーのことですし。…というかファウスト、なんでますたーのことを『お父様』って呼んでいるんですか?ますたーの前では『マスター』呼びなのに。」
〈……………私にも言いたくないことはあるのです。〉
「………機械にも思春期ってあるんですねぇ。」
〈…多分、関係ないですよ?お母様は、そんな面倒くさい設定しないと思うのです。〉
気が狂いました。後悔はしてません。
次回投稿 1月の前半くらい
追記 30話おめでとう。私、ここまで続けられて偉い。パチパチ。(自分褒め)
1/4 説明がわかりやすいように微修正しました。




