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天邪鬼の異世界雑貨屋  作者: 15夜
逆転する世界
11/60

『邪正明暗』という男 りばーす

「さて。店に入りたいのだが…」


「…?どうかしたんですか?」


「いや、ちょっとな…。どーしようかなー?」


 お店の場所は明暗さんにしか分からないのですが、どうしたのでしょうか。


「まあ仕方ないか。《逆転世界(リバース)》!」


 そういうと、明暗さんの上下が逆になりました。


「……は?」


 自分で言っていても訳が分からなくなりました。明暗さんが頭が地面に向いているのに浮いています。空間魔法か闇魔法を使えば出来るとは思いますが、全く苦しそうにしていません。スキルの効果なのでしょうか。でも、体の上下を逆にするスキルはお店とは何も関係がありません。


 そんなことを考えていると、明暗さんの上下が戻りました。


「……入って。」


「???分かりました。」


 明暗さんの口調が変わりました。なんというか、元気が無くなってしまいました。これも、スキルの効果なのでしょうか。取りあえず今は考えていても分からないので、お店の中に入りましょう。


「お邪魔します。」


「……ん。」


 明暗さんのお店の奥に繋がる扉に入ると、思っていた部屋より数倍大きい部屋がありました。というか、お店を外から見たときの大きさよりも大きい気がします。


「…荷物はそこ。」


「ありがとうございます。」


 何でこんなに元気が無いのでしょうか。やっぱり私、歓迎されていないのでしょうか。


「明暗さん…?」


「…なに?」


「何でそんなに元気が無いんですか?私、あまり歓迎されていませんか?」


「…………ん。」


 数秒経ってそう返すと、明暗さんが紙を見せてきました。その紙には、スキルの効果が書かれていました。


┌─────────────────────┐ │スキル                  │

│逆転世界                 │

│全てを逆に出来る。ただし、自分に関すること│

│も一つ逆にしなければならない。       │

└─────────────────────┘


 思っていたよりも凄いスキルでした。しかし、『自分に関すること』って、何でしょうか。


「あの、『自分に関すること』って何ですか?」


「…性格、テンション、性別とか。」


「なるほど…。」


 大体何でも対象になるということは分かりましたが、このままではあまり会話になりません。


「逆にした物は直るんですか?」


「…半日くらいで戻る。」


「そうですか。」


「……取りあえず、ご飯作る。座ってまってて。」


「お店の中を見ててもいいですか?」


「…どうぞ。」


「ありがとうございます。」







 レンジアが店空間に入って少ししたあと、私は料理を作りながら逆転世界(リバース)について考える。性格、テンション、話し方、利き手、性別、自分に関する全てを対象にとれる一見代償の小さいスキルだが、このスキルには欠点がある。それは、スキルを使う範囲や影響が大きくなるにつれて、こちらの払う代償も大きくしなければならなくなることだ。


 今日はまず、店を隠すためにテンションを逆にした。何故なら、買い物をする分には別に関係無いからだ。有るものを無いことにする、というのは結構代償がでかいのだ。


 次に、何となくでレンジアの様子を見に行くために、私が他人に見えるかどうかを逆にした。しかし、他人に見えるかどうかは代償としてとれるので変わりに家に食材と日用品を転送した。正直払う代償と釣り合っていないが、今回は代償の方が主役なので考えないことにする。


 最後に、レンジアの家族の記憶を無かったことにした。レンジアには大したことではないと言ったが、思ったよりも重い代償を払わされてしまった。


 …まさか、重力反転二回にテンションを一番したまで持っていかれるとは思わなかった。そりゃ人の記憶を消すっていうのは相当影響でかいし当然だ。しかし記憶を消すのは両親二人と兄弟一人ぐらいだと思って使ったので、テンションを持っていかれたのは凄いビックリした。よくよく考えれば影響はでかいもんな…


 そんなことを考えている間に、料理が完成した。今日はカレーだ。沢山作ったから明日もカレーだが。







 お店にある商品を見ていると、ふいに店内に声が響き渡った。


「ご 飯 、 出 来 た 。」

 

 明暗さんの作るご飯、楽しみです。




 ご飯を食べ、大きなお風呂に入り、渡されたお部屋のベッドで寝ようとすると…


「起き…てる?」


「起きてますよ。」


「入っても…いい?」


「どうぞ。」


 明暗さんがきました。何か、用事があったのでしょうか。


「君の、スキルの話。」


 あの忌々しき、心を読める力のことでした。というかあれ、スキルだったんですね。


「この薬、飲むと、止められる。でも、お願いがある。」


「…?なんですか?」


「心を読める力、完全には、消さないで、欲しい。」


「?どうしてですか?」


「お店の、店員を、するのに、きっと、必要になる。これ、効果、変えられる。無いことにも、出来るし、一部だけ、変えることも、出来る。」


 この薬、めっちゃ凄いじゃないですか。


「分かりました。どう変えればいいんですか?」


「心を読みたいと思ったら読めるように、すればいい。きっと、それが君の思い描いていた、力のはずだから。」


 そういって、明暗さんは部屋を出ていきました。



 そして、私は………









































 

 『とある亡国の怪物好きの一人姫が、宮廷の職人に作らせた飴。しかし、呪いの力が強すぎたせいでモチーフになっていた怪物の力が宿ってしまった。飴に生命が宿っているのは分かっているが、飴がなにを考えているかは、いまだに分かっていない。』


~〖終ワリ亡(サイクル・オブ)キ姫ノ飴(・プリンセス)〗紹介文~

ついに明らかになった明暗のスキル。ここから物語はどう動いて行くのか。


第二章プロット、誠意制作中です。

お楽しみに。


取りあえず、次の章タイトルは公開しておきます。

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