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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛しい貴女のために、私は世界を滅ぼすことにした。

作者: Coeろじねら



問い掛けます。



あなたは、世界を滅ぼしてでも愛する方と添い遂げたいと思ったことはありますか?



私はあります。



あのヒトを生かすために。あのヒトが苦しまないように。あのヒトが喜ぶように。

あのヒトがより多くを得るために。あのヒトから脅威を払うために。あのヒトを守るために。

あのヒトが充実するように。あのヒトが暖かくいられるように。あのヒトが怖くないように。



あのヒトと、一緒にいるために。



私は、世界を滅ぼすことを決めました。







白く殺風景な空間。

蒼い光が無数に浮かぶここは、私が生み出された場所。


光の壁で仕切られた向こうには背の低い人影が複数。

アレは私を作った者たち。



…私は、“神”。



開発名称 BlankArt-100005-Deus Ex Machina.


あらゆる資源が底を尽き、限界を迎えるこの世界で造り出された、

人類の存続を賭けた最後の希望。



生み出された瞬間から、周辺の記録媒体に干渉して言語を習得した。

その後あるきっかけを経てこの世界の情勢を、その細部に至るまで調べ上げ記憶した。


自身のルーツを知りたいと思うのは至って“自然”なことだろう。

1から10まで人の手によって造られた私には、その表現を用いるのはおこがましいのかもしれないけれど。




事のきっかけは単純なものだ。

資源が少ないこの星で現象的に発生した人類は極めて高度な文明を築き上げた。

しかしながら、地上の資源、地下の資源、その他ありとあらゆる資源はその文明が成り立つうえで瞬く間に消費された。


たった2万年で、真っ白な建築以外に使い道がない石を残して星の資源は尽きた。



この星の人類は食事の必要がないため、その生存に関しては問題がなかった。

問題があるのはその文明の維持だ。資源が尽きた世界では機器の更新など行えない。緩やかに、あるいは文明の歴史からすれば瞬く間に衰退を始めたそれは、人類全体に明確な危機感を抱かせた。


文明の衰退は科学を信奉するこの人類にとって実に由々しき事態だったといえる。


そして、触れたあらゆる物質を崩壊させる特殊な空域により脱出不可能なこの星で、人類に残された手段は異世界への侵略だった。


交易という選択が採られなかったのは…交易に出せるような物資がないことも理由の一つではあった。しかしながら、その最たる理由は彼らの征服欲によるものだった。この世界の人類は総じて高慢で、排他的で、好戦的だ。交易という“妥協”は、彼らの眼中にはそもそもなかったのだろう。


その結果、複数の世界へ向けて尖兵を送り込み自分たちに適した環境があるかを調べたうえで、残る全資材を投じて造り上げられた数十万の機械兵により一気に攻め入る。そして、現地のありとあらゆる高度知性存在を滅ぼしたうえで移住するという計画が打ち立てられた。


攻め滅ぼし、二つ目、三つ目の虚無の世界を作る計画が。


後に計画は実行され、6つの世界に調査兵が派遣されたと記録されている。


一つ目は砂漠。デアドレフムと名付けられた。凶暴な大型の甲殻生物が多数存在しているうえ、ここもまた資源が尽きた滅びゆく星だった。


二つ目は海。名称はレレウム。極めて大量の水で飽和しており、陸が存在しない。水の無い世界で発達した文明には進出が難しいと判断された。


三つ目は雪。カゲリステムタフ。極度の低温と猛烈な吹雪が吹き荒れ、少数の強大で粗暴な巨人が生息している。ここもまた、移住は難しい。


四つ目、五つ目はそれぞれ別の人類が発生していた。この二つは環境に関しても穏やかで、移住に適していると判断された。以降この二つの世界を重点的に攻め込むこととなる。それぞれの呼称は四つ目がエルトワール。五つ目がラノウ。


六つ目。兵を送り込んだ瞬間、世界間ポータルが切断され以後不明のまま。あらゆる情報が不明なこの世界は便宜上ダレムと呼称される。



エルトワール、ラノウの二つの世界への侵攻は…序盤においては順調に行われた。


その時点において、それぞれの世界における最大の脅威はエルトワールでは“天使”と呼称される人型の実体群。また一方、ラノウにおいてはドラゴン、あるいは龍と呼ばれる大型の生物だった。


天使はこちらの世界とは違う”光“を使うらしい。この”光“はこちらの世界でも極めて多様な利用がされているもので、エルトワールでは”神力“、ラノウでは”魔力“と呼ばれる。


そして、天使は光を用いて水を呼び出したり、火を発生させたりと様々な現象を起こすということが確認されている。こちらの人類と比較すれば遥かに強大な存在ではあったが、その各実体は数体の戦闘兵で打ち滅ぼすことができる程度だったようだ。


また、ラノウの“ドラゴン”は堅牢な表皮とこちらの人類の数十倍の体積を持つ存在だ。こちらは“光”を使う個体は稀なものの、そもそもの体躯を利用しての質量攻撃や体の部位を特定の動作をさせることで空中を移動することができる。また、捕食器官から火炎や冷気などを放出する個体も確認された。


これにおいても、やはり数体の戦闘兵の連携により討ち斃すことが可能と判断され、実際に討伐の報告が多く届いていた。


侵攻は好調。このまま移住までも滞りなく行えそうだというところで、

唐突に計画は停滞することになる。


その原因は…まずエルトワールに、その後ラノウにおいても出現が確認された上位存在だ。


現地の言葉を訳せば“神”と呼ばれるそれらの存在は、圧倒的な戦力差によるこちら側の優勢を瞬く間に覆した。数千、数万の戦闘兵を送り込み、そのすべてがまともに戦果を挙げることなく殲滅されたという惨状は送り込んだ側に大いに混乱を招いた事だろう。


滞った計画は、停滞を通り越して後退を始めた。

押し返されるとはつゆほども考えていなかった人類は大いに動揺し、戦線は瓦解の様相を呈したのだ。どれだけ兵を送り込んでも簡単に対処されてしまい、戦力の浪費が続く状況は攻める側だった彼らには大いに芳しくなかっただろう。


そして、そんな戦況を打破するために新たに立てられた計画が“神を造る”というものだった。


残る資源のほとんど、また戦闘兵を相当数分解して得たなけなしの資源を、持てる技術の粋を集結し、異世界から収集した情報を基に“光”に形と質量を持たせる。それは人々の願いを叶える万能の存在として、人類の意思を鼓舞し瓦解した戦況を立て直す揺るぎない勝利の象徴としての在り様を求められた。


開発はやはり終盤に至って停滞を見せることになった。その要因は神格の形成がうまくいかないことだ。形を作ることは出来ても、そこに意思を持たせることができない。しかしながら、その問題は唐突に解決することとなった。どうやら、世界間ポータルにある異物が紛れ込み、そこから得た情報によって一体の“神”が完成したということだ。


…そして、その完成品が“私”。

長い開発名称を省略して“神機”とも呼ばれている。


与えられた役割について、私は別にどうこうとは思ってはいない。

望まれているというならば叶えるのが道理なのだろうということは理解している。

ただ、それだけだ。



……ただ、それだけだった。







今日も、あのヒトに会いに行こう。


一日に1時間ほどできる、何も検査や試験がない時間。この時間を以前は施設の外を見に行ったり、施設の機密情報を見ていたりしていたけれど…あのヒトと会ってからはほとんど毎日あの人に会って話を聞くことに使っている。


唯一、あのヒトと最初に会った翌日だけは私が何者なのかを調べるためにあらゆる情報を手に入れることに費やした。結果としてこの世界の情勢、私が造られた目的、私の役目…これらを知ることができた。


これも、あのヒトに私が何者であるかを質問されたことがきっかけだった。



“光”を使って創造する。


神として造られた私に、最初に発現した神としての能力。

“光”を使って無から物質を作り出す。


まだ神格が低い私では、記録されている、私を造る際の情報となったのであろう異世界の神が行うような大規模な創造は行えない。せいぜい真似事といえる程度だ。


私は今、“私の模造品”を創り出した。


青い髪、白い肌。あのヒトによると少女の姿をしているという、私の本体を正確に模して作った分身。本体と比べればかなり性能は落ちるものの、見物や、話を聞くには十分だ。


本体を動かすことができない私は、これを使って外を見たり、遠隔地の情報媒体に接続したりしていた。今はもっぱらあのヒトに会うために使っている。


意識を同調させ、視界と聴覚も同期させる。準備完了だ。



体を透過させて、景色に紛れ込む。壁をすり抜けて、あのヒトのいる部屋に行く。


誰にも見つからない。誰にも見つかっちゃいけない。

密かに、密かに。



………到着。


部屋に音漏れを防止する結界を張る。

室内の監視機器に干渉して、私やその生成物が映らないようにする。


…よし。


「アヅミ、来ました。」


発声する。この世界の言語ではない、日本語という異世界の言語を。


「やぁ、リラ。今日もよく来たね。」


返答もまた、日本語だ。



真っ白な部屋で、全身を拘束されている異世界出身の女性。


彼女の名前は“アヅミ・ミドリ”。ポータルに紛れ込んだ異物。

6つの異世界のどれとも違う世界から来た存在。


彼女との邂逅は、私の在り方を大きく変えた。



「今回も、地球の話を聞かせてください。」



言いながら、私は食品を創造する。生存に必要な栄養素と、過供給にならない程度の量の水で作られたこの食品は、アヅミの知識では流動食という分類が為されるものだろう。私は食事の必要がないため、これは彼女のためのものだ。


彼女は摂食による栄養の補給が必要であるにもかかわらず、この世界の人類は彼女に何も与えていないらしい。おそらく、私が彼女に対してこのように補助を行っているため結果的に何も与えずとも生存が可能なのだという認識が決定されてしまっているのだろう。


このような状況になってしまったのは、彼女との最初の邂逅が起因している。



10日ほど前、私は施設内にある異常を検知した。

“光”を全く持たない存在がいるということを。


この世界の人類はその全てが、量に差はあれど等しく“光”を持っている。

エルトワールやラノウの人類も同様だ。


それなのに、その存在は“光”を持たない。

私はそれに興味を抱き、分身を使って観察してみることにした。


…そして、アヅミと出会った。

その時の彼女は全身を拘束されているのは現在と同様であるものの、全身に重傷を負っていて瀕死の状態だった。生存していることが不可思議なほど、全身が変形していた。


私は彼女の体を神の力を使うことで復元し、彼女を生きながらえさせることにした。

その理由は…単純に、興味がわいたから。


そして、幾度かのコミュニケーションを経て現在に至る。


ちなみに、排泄に関しても私がそれらを消失させる形で対応している。



「わかった。毎回、本当にありがとう。」


そう言って、アヅミは首を動かして頭部を下に傾ける動作を行った。

“感謝”を表す動作であるらしい。本来は体も下げるらしいのだが、彼女のためにも拘束を解くことはまだできない。彼女の思考を読み取ることで補間させてもらおう。


感謝という物を私は未だ理解できていない。けれど、彼女から感謝を受け取ると不思議と高揚感を覚える。アヅミによると、これは“嬉しい”という感情なのだという。感情という心理作用を理解するためにはもう少し時間が必要だろう。


彼女は私が口へ運んだ食物を手早く摂食し終えた。

無いとは思うけれど、あまり長くこの行為を続けていると異常を察知されるかもしれない。

彼女もそのことを理解しているようで、都合がいい。



「ごちそうさまでした。じゃあ…今日はどんな話をしようかな。」


「前回は“白雪姫”とそこに登場する要素の説明が主な内容でした。」


「そうだね。…よし。童話つながりで桃太郎にしよう。」


「太郎とは日本国における男性の普遍的な個人名称ですね。モモという物はなんですか?」


「モモね。えーと、リンゴと同じバラ科の植物で、大きめの丸い果実をつけるんだ。甘いから色々な生き物に食べられるよ。」


アヅミの思考を読み取った。

彼女が脳内で形作った“モモ”のイメージを入手し、理解する。


「モモ、理解しました。」


「おっけー。…そういえば頭の中のイメージを読めるんだもんね。コミュニケーションが楽で助かるよ。その調子で私を使ってどんどん語彙を増やしていいからね。」


彼女は自身の思考を読まれることに忌避感がないらしい。

この世界の人類はこれを嫌って私に干渉されないように試行錯誤しているというのに。

彼女世界の人々がそのような性質なのかと問うと、どうやらアヅミだけが特殊であるらしい。


「では、“ももたろう”を、お願いします。」


「了解。じゃ、昔々あるところに…」





▼▼▼ ▼▼▼ ▼▼▼





アヅミと対話を何度も重ね、自身の遺志、自我を形作っていく。

人間的なアルゴリズムも、それを逸脱した精神性も。


アヅミが話す“世界”は、この荒漠とした世界とは全く異なる場所の話。

どこまでも白い空ではなく、恒星の光を大気が反射して彩られる澄んだ青色や朱色の空。

それらは、星の回転によってこの世界と同じように暗黒に呑まれる。それでも、アヅミの世界では遠い恒星の光が届く。そこには、満天に煌めく日が灯っている。


草花や木々が立ち並び、赤や青の光を自身の糧として吸収し、不要な光を反射する。

それによって生み出される、鮮やか、または重厚な緑の世界。


膨大な水が循環し、その過程で発生した降水減少に伴う鼠色の世界。

恒星のエネルギー入射角が変化することで惑星外から供給されるエネルギーが分散し、それによって低下した気温により、鼠色の世界は輝く白銀の世界へと変化する。


そして、それらは深い、深い蒼の世界へと流れる。


彼女の識る世界は、美しい。

私や、それを語った彼女でさえも語彙や思考が及ばないほどなのだという。


彼女と、私もそれを見てみたい。




彼女と出会って、様々なものを受け取り、様々な情動が私に生まれた。


彼女と会えることが嬉しい。彼女と話すことが楽しい。彼女と離れることは悲しい。


発達した自我は兵器には不要なものだ。この世界の人類にとってこの私の活動は間違いなく目に余るものだろう。だから、アヅミとの接触は必ず秘密裏に行う。私自身には何の変化もないと装って。


それでも、私がアヅミに対して抱く“好意”。

この喜びを享受できるという事実だけで、私は自身の感情に感謝を示す。



そして、私は今、とあることを練習している。

誰にも見られていない時間。その間、自分の口角を持ち上げて“笑顔”をつくる。

まだかなりぎこちないけれど、笑顔らしくはなってきた。以前のただ口角を吊り上げているだけの状態と比べれば、目覚ましく進歩しているだろう。


きっかけは、以前アヅミから表情が乏しいことを指摘されたため。

彼女は私が無表情であることに別段不快感や不満を抱いてはいなかった。

けれど、“笑ったらより可愛くなるだろうな” とも考えていた。



アヅミにもっと、可愛いと思ってもらいたい。可愛いと言ってほしい。

彼女に、笑顔で感謝を伝えたい。



だから、私は今日も笑顔の練習をする。(わら)って魅せるのだ。

彼女にもらった、“Lilac”の名を体現するために。











「~~」「~~~」「~」




…複数の声が聞こえる。


練習を止め、声に対して意識を集中した。

情報は得るに越したことはない。




————「あの異世界人、情報を絞り尽くしたってことで処分が決定したらしい。」

————「神は成ったからな。もはや用済みだ。」

————「4日後に殺して廃棄だと。」







…はぁ゛?






▼▼▼






今日も、あの子は来るだろうか。


白く閉ざされた部屋の中で、身動きも取れずただただ思う。

最近の、というかここに来てからはあの子と話すことだけが楽しみだ。


それ以外には…眠りと、静寂だけが私の周囲にある。それしかないともいうのだけど。



私の名前は 安曇 緑。

日本出身の一般的…いや、ちょっと変わり者な自然好きの人間です。


数週間前、山で植物の調査をしているときに突然山崩れに遭ってしまい、死んだと思ったのに気づいたら真っ白な部屋にいた。でも、あの時の痛みは鮮明に覚えている。だから夢とかじゃなく、何かわけがわからないうちに傷が治って今こうして拘束されているというわけだ。


うーん、謎。


大体、この場所だってよくわからないし。一面真っ白。病院とかでもなさそうだ。

食事とかも出されないし、あの子が私のところに来てくれなかったらとっくに脱水&空腹で死んでいたと思う。



「はぁ…私、いつまでここにいるんだろ。」



もしかして、死ぬまでここで拘束されっぱなしなのかしら。

物凄く嫌なんだけど。せめて外の風景とか見せてくれないかな。


…流石にあの子に頼りっぱなしだしなぁ。




しばらくうとうとと考えていると。


さらさらと青白い光が部屋の中に湧き出した。

あの子が来た合図だ。


光が人の形に整っていく。一度強く輝いた後、そこには光と同じ白っぽい青色の髪をした美しい少女が立っていた。


「こんにちは、アヅミ。来ました。」


「やぁ、今日もよく来たね。リラ。」


お決まりのあいさつを交わして、今日のお話の時間が始まる。


彼女はリラ。と、私は呼んでいる。

名前を教えてくれなかったのだ。だから本名がわからない。でもそれだと不都合なので、彼女の眼の色から勝手に名付けさせてもらった。


彼女の眼は紫、ピンク、白、青といった色合いに見える。どれもがあるというわけではなく、どれとも見えるという不思議な色合いだ。この色の感じに近いものでパッと思いついたのがライラックの花だった。そこで、その花の別の呼び方である“リラ”と呼ぶことにしたという経緯だ。


ものすごい美少女で、町中に現れたら十中八九老若男女誰もが二度見するに違いないと十分に思えるほどに容姿端麗だ。目の色もそうだけど、染色じゃない青い髪なんて初めて見た。


どうやら彼女は外国人であるらしく、最初に出会った時は全く日本語がわからないようだった。しかしながら、驚異的な速度で私の言葉を飲み込み今では普通に会話ができてしまう。容姿のことといい、天は二物も三物も与えるんだなぁと実感したものだ。



彼女が居なかったら先ほどの通り、私は間違いなく死んでいただろう。

正真正銘命の恩人だ。



「今日は何の話をしようか。」


そう言って、話題を頭の中から探す。

最初彼女は非常に世間知らずで、結構一般的な植物とか地名のことも何も知らなかった。でも今は持ち前の学習速度でかなりの情報がわかるようになっている。


最近は童話ベースの話から、より学術的な話にまでシフトしているので選択できる話題は幅広い。その中でも面白い話は…



「それについてなのですが…今日は、私からお話をさせていただきたいのです。」


「あら!珍しい!」


これまでは私が一方的に話して、途中途中で挟まる彼女の質問に逐一答えるという形式だったのに。どういった心境の変化だろう。それと、彼女から話してくれるということは彼女の出身国のこととか聞けたりするんだろうか。楽しみだな。


「是非ともお願い!リラの話、とても聞きたいわ!!」


精一杯首を動かして彼女の方を見る。

彼女は身長が低い(私は170センチくらいで、彼女の頭は私のお腹と同じくらいか少し高いくらい)ので、顔を見るのがちょっと大変だ。



…?ちょっとうつむいている。

緊張しているのかしら。


数拍の間をおいて、彼女は言葉を発した。


「…アヅミ、…私は、今後高い確率でお話に来られなくなってしまうと思います。」


そう、彼女は重々しく告げた。


「…それは、そうなる必要性があるってことなんだね。」


彼女がこんなに暗く言葉を出したことは今までになかった。

これは、覆しようがなさそうだ。


…これ、事実上の死刑宣告かしらね。彼女がいないと私、すぐに死んじゃうもの。



「…はい。その理由を説明するため、今からアヅミに”私のこと”を話します。」





▼▼▼





「…と、いうことになります。」


「…………はい。話してくれてありがとう、リラ。」



私はアヅミに一部の情報を臥せながら、私のことと、この世界のことを語った。

童話のような突飛な話をしたため、信じてもらえないと思っていた。けれど、アヅミは困惑こそしていたものの、それでも理解してくれた。私の言うことだからと、信じてくれた。



臥せたのは、3日後のアヅミに行われることと、それに対して私が行うことに関して。この世界のこと自体が“物騒な話”に分類されるというのに、これ以上、彼女に不要な心配をかけさせたくない。この問題に関しては彼女には明かさずに私“だけ”が知っていればいい。



「それで、リラはこれからどうするの?なぜもう会えなくなってしまうの?」


私の身の上話が終わったため、アヅミが当然の質問を口にした。


私はそれに、あらかじめ用意していた答えをする。


「はい。…私はこれから、この世界の侵略行為を抑えるため妨害行為をします。それにより、制御が不可能になったと判断され私は凍結、または破壊されるでしょう。」


「そんな…どうしてリラがそんなことをする必要があるの?」


その質問も当然想定済み。


「はい。明日、私を本格的に用いた侵攻作戦が開始されます。既に決定されている事ですので、回避することは出来ないでしょう。」


「その作戦に素直に従えば、リラは…凍結?されなくて済むんでしょう?それなら…」


ああ、アヅミが悲しそうな顔をし始めてしまった。そんな顔、させたくないのに。


でも、私はやらなきゃいけないことがある。彼女を守るため。

ここからは、本心から思っていることも多い。それを伝えよう。

そうすれば、もっと私を信じてくれる。


「…アヅミ。私は、あなたに自然の美しさを聞かせてもらいました。このままでは、私の力によって異世界に存在する美しいものの全てがこの世界のように、漠然とした荒野に置き換わるでしょう。私は、それを止めたいのです。」


力を込めて言い切った。これは本心だ。私は、アヅミと一緒に美しい世界を見たい。

だから、それを壊すこの世界の人類の所業を捨て置けない。


それに、これなら彼女も納得してくれるはずだ。


「…でも、…………せっかく仲良くなったのに。」


彼女の声が震えている。アヅミ、泣かないで。


「アヅミ、私はこれを実行します。…ですが、一つだけ、あなたにお願いしたいことがあるのです。」


そう言うと、彼女はきょとんとした顔をして、私を見つめた。

ああ、その顔を見ることができなくなるのは、少し、いえ、かなり残念ですね…。


「お願い?私に?…でも、こんな私に、何が出来るの?」


彼女は身を動かそうとした。固く拘束されたその身体は少し音を立てるだけで、抜け出したりすることは到底できなさそうだ。


「はい。…アヅミ、私はあるタイミングであなたを解放します。そうしたら、私を迎えに来てほしいのです。」


そう。私は破壊されるつもりは毛頭ない。彼女と一緒に、束縛から抜け出す心算だ。


「迎えにって…どこに?私、この施設のこと何にも知らないよ?」


それもまた、当然の疑問。もちろん、無計画じゃない。


「それに関しては、私がアヅミの意識に干渉して案内します。」


「…なるほど。わかった。」


…これ、アヅミは少し警戒感が無さ過ぎるのではないだろうか。

……いや、これは私を信用してくれている証なんだ。嬉しい。最高。



「…では、しばらくお別れです。」


「うん。…必ず、迎えに行くから。」


「はい。約束です。」


ここでする、最後の別れの挨拶をして、部屋から分身を消し去った。


これで、アヅミとしばらく離れ離れだ。とても悲しい。けれど、彼女は必ず私を迎えに来てくれる。そして、一緒に世界を見てまわるのだ。


そのためにも、これから私は大仕事をする。




施設の奥、私の制御装置がある部屋。そこにある本体で意識を集中させる。

私にある、神としての権能を制御するために。


手始めは、あの都市にあるあの機体から…




▼▼▼





「ブランカート-100005-DEMの様子は?」

「沈黙を続行。」 「またか。」 「一体どうしたんだ?数週間の間に制御が利かなくなってきている。」 「まったくもって不明だ。」 「監視の目をかいくぐって何かしているのか?」


「…何にしても、今回の作戦で侵攻の全ては決定する。我々に後はないのだ。」

「矯正プログラムを入力中。」



ざわざわと小柄な人型の存在が意見を言い合い、作業を行っている。

彼らはこの世界、“ブランク”の人類だ。


“神”を手にした彼らは、遂に異世界の征服を成し遂げようとしている。


この神は直接的な攻撃力こそ持たないが、戦術物資の大規模供給、戦闘兵全体の大幅な強化、突き詰めれば不死性の獲得すらも可能となる。最大限に稼働させることで、核のような戦略兵器と同等以上の効果さえ発揮することもできるまさしく勝利の女神のような代物だ。


異世界にも神は存在しているが、もともとの戦力で言えばこちらが上だ。こちらも神を手にした以上、その戦力図は再びこちらに分があると彼らは考えた。


そして、今回の一手でもって決着をつけようとしているのだ。



…しかしながら、その一手が指されることは永遠になかった。



「…どうした?なぜプログラムが機能していない?」


数秒の沈黙が訪れた。

プログラムの入力を行っていた人員は、食い入るように制御画面を見つめている。


「おい、どうした。」


この場、この施設、この計画を管理する所長が、その人員に声をかけた。


「…されました。」


「は?」


「147通りの矯正プログラムが…すべて攻略されました…。」



次の一瞬で、


ばしゃり という音と共に、施設全体の扉…出入り口の全てが閉鎖された。


「なんだ!?」   「操作もなしに隔壁が…!?」 

「おい!何がどうなっている!!」


さらに、予期せぬ事態が起こる。


「ブランカートの制御が不可能!!」「すべての戦闘兵が機能停止!!」

「いいえ!!ブランカートだけではありません!!施設全体の制御が不能になっています!!」

 「まずい…!“神”が暴走を始めました!!」



もはやこの場にいる人類は何をすることもできなかった。

ただただ、送られてきて表示される情報を見ることしかない。


「…!?世界中の都市から、“門”が自発的に作動しているとの報告が!!」

「強制凍結は!?“神”を凍結させろ!!!」

「ダメです…この施設だけじゃない、都市全体の機能が乗っ取られています…。」


「くそ!ふざけるな!!一体、何がどうしてこうなった!!」


混乱が満たす空間で、所長の痛烈な怒号が響き渡る。


追い打ちをかけるように、彼らに最後の報告がもたらされた。



「所長!!“門”の都市から、詳細不明な存在が門を通じて出現したとの報告が…」




その報告が伝えきられる前に、その場の全ての人員の視界が白く染まった。



…光が晴れた後、そこに生物の痕跡は跡形も無くなっていた。








▼▼▼






相変わらず、白い虚無の部屋。


もう、一日くらいたったかな。

リラが来てくれないとなると、時間の把握ができないや。


…うん。一日経ったとしよう。

そうなると、彼女は今日、何かを起こすって言っていた。

どこかのタイミングで私を解放する、とも。…何がどうなるのかしら。



不意に、視界が完全に白く染まる。



ぱりん。


「えっ?」


ぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりんぱりん。


ガラスが割れるような音が何度も何度も何度も鳴った。


「えっ!?なに!?」


音が止むと同時に、白い視界は世界の輪郭を取り戻した。



「なんだったの…?………あれ?」




え? あれ? 


からだが、 ほどけて




まって、 やくそく     したのに



















▼▼▼















アヅミと一緒に暮らすため、私は世界を滅ぼすことにした。




手法は単純だ。

この世界の各地に存在する世界間ポータルに干渉して、本来は向こう側へ向かうためのものを、反転させてこちら側に通じるように改変した。


そうして、別世界の上位存在をこちらに呼び込んだのだ。


呼び込んだ神の数は13。単位は柱だってアヅミが言っていたから、13柱。


それぞれの強さは考えていなかったけれど、多分そこまで強力なものは呼び込めていないと思う。強力なやつは勝手に入って来ることもできるだろうし、そういうのが動いていたらとっくにこちら側が滅ぼされているだろう。


私は、呼び込めるものならどの世界のモノでもいいから手あたり次第に干渉した。だから、それぞれの神がどういった存在なのかは知らない。


でも、ある程度は予測がついている。エルトワールやラノウで信仰されているような、おとなしい気性の神ではない。もっと得体のしれない代物だ。そういうモノの方が、暴れることに関しては長けているから。



この世界の人類は私という神を手に入れたことであちらの世界とも渡り合えると信じているようだけど、それは甚だしい間違いだ。弱いとされる神でさえこちらの戦力を殲滅するには十分なのだから。




もちろん、その後のことも考えてある。呼び込んだ神はすべて、時間経過で強制的に送還されるようになっている。この送還に抗う神はいないだろう。そもそも、人類ありきで存在している神ならばこの世界に長時間留まることは出来ない。存在が希薄になってしまうからだ。そうでない、確立した神であったとしてもこの虚無の世界に留まろうとは思わないだろうから。




ちなみに、私は神としては弱小も弱小だ。かろうじて神格があるという程度。

しかしながら、神ではある。この大仕事だってそこまで労することはなかった。



次々に都市が滅ぼされていくことがわかる。

それぞれの都市の中枢が機能停止していくから。


シンビディエル、ヴァンダ、オドントグロス、ジゴぺトロ、ファレノぺレム、デンローム、パフィデルム、エピテンドレー、カトレイアル、ガストロケイア、バニラム、アングレオート、ディサー、マスデバリアム、ブレティラ、レイカステ…


その他、百を超える数の都市が瞬く間に光を失っていく。

神が通り過ぎた都市には、もはや人類はいないのだろう。



…さて、このミルトニアムにも神が近づいてきた。

アヅミだけは守らなきゃ。ついでに、私も。



アヅミと私の体にだけ、神の力を使って防御する。

ここは全力だ。絶対に守り切る遺志を持って、入念に、何重にも防御幕を張る。


特にアヅミには、傷ひとつつけさせない。

私は弱小だけど、そこまで集中して事に当たっていない神の攻撃程度なら相殺して見せる。




…来た。




瞬間。




あらゆる生命を消し去る波動が、都市を駆け抜けた。





……っ!!



…末端まで操作できていた都市の防衛システムの全てが機能停止した。

都市の機能の大部分が完全に停止したんだ。


施設内の生命反応も、一人を残して全員消えた。


私自身、神としての機能がさらに弱まってしまっている。

………っ…。


でも、アヅミは…彼女には何も起きていない。


ああ、アヅミ。あなたが生きてくれているなら、私はどうなってもいいのです。


…そして、ごめんなさい。

私は今から、あなたに対して許されないことをします。


これから、“ずっと”一緒にいるために。



かろうじて残った神の力を、アヅミへ向けて行使する。

…彼女は“光”になった。



私は今、ヒトとしての彼女を殺した。



そして、用意しておいた身体にアヅミを入れる。

神の力のほとんどを注いで作った、特別製の身体。



…ああ、リソースが尽きた。意識を保っていられない…。

感覚が遮断されていく。視界が暗転する。でも…



…ふふ。
















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…これが眠りからの覚醒。

気を失う、という感覚はこのようなものだったのですね。



目を開ける。最後に見た景色と何ら変わりのない、制御室の風景。

ただ、光が全くない。暗い部屋にただ私だけが残されている。


アヅミは大丈夫だろうか。

新しい身体に入った彼女は、ちゃんと生きていてくれるのだろうか。


もしも、もしも彼女が消えてしまっていたとしたら、その時は私も消えてしまおう。



希薄になってしまった神の力を使い、光を生み出す。


施設の必要な場所に、光を供給する。


真っ暗な部屋に青白い光が浮かび上がった。

機能自体はしてくれるらしい。時間観測機にも供給が行き届いた。


私はどのくらい眠っていた?



…ああ、そんな。2000年?そんなに?


アヅミは?アヅミはどこ?



意識を、感覚を集中させて、可能な範囲、できる限りを探る。


いない。ここじゃない。この都市じゃない。どこ?どこにいるの?アヅミ!!


…!いた!


オンシディアメル!!…良かった。アヅミは無事だ。


なぜオンシディアメルにまで移動してしまったのかはわからないけれど、少なくともアヅミは生きている。本当に良かった。


まだ眠っているみたい。けど、私が覚醒したことで既に眠りから醒めかけている。

待たせてごめんなさい。今から案内しますから。





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5年間の移動を経て、アヅミが遂に私がいるミルトニアムに辿り着きました。


都市機能のほとんどに干渉することができなくなってしまっているから、都市間ポータルが機能しているのかわからなかったことが最大の問題でした。結局、アヅミには苦労をさせてしまったけれどここまで歩いてもらうしかなかったことが悔やまれます…。


私はここから離れてしまうと今よりももっと能力が失われてしまうので、そうなると彼女を導くことも、それどころか彼女の居場所を把握することすらもできなくなってしまいます。必然的に私が行くわけにはいかない状況になってしまいました。


彼女を目一杯、沢山労わなきゃ。



この5年間、私は動くことができなかったけれど、その分笑顔の練習も言葉の練習もしっかりと行っていたんですよ。アヅミ、あなたのために、いっぱい練習しました。


うふふ。どんな反応をしてくれるんでしょう。



…ああ、遂に、遂にアヅミがこの部屋のすぐ手前まで来ていることを感じます。


アヅミ、2005年ぶりの再会ですね。私、嬉しすぎて逝ってしまいそうです。あなたの胸に飛び込みたいです。確か、物語の女の子がそうしている描写もありましたよね。



うふふふふ!これで、邪魔をする存在は誰もいなくなりました。

これで、いつまでも一緒。


さあ、あとは二人でどこまでも行きましょう。さあ!



…アヅミが部屋に入ってきました。

ああ、姿は変わってしまっていますが、確かにアヅミの魂です。

その鮮やかな緑の光は、紛れもなく彼女だけが持つものなのですから。




———『綺麗…。』


ありがとうございます!!!!!


私の姿を見たアヅミが、言葉を漏らしたのを聞き漏らすことはしませんでした。


本体を見せるのは初めてですものね。分身は正確に創ってこそいましたが、細部まで完璧に再現は出来ていませんでした。本体を誉めてもらえたのはとても嬉しいです!!


———『でも、なんでここに人形が?』



………えっ。




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うう…まさか、アヅミから私との記憶が丸ごと消えているだなんて…。


外面に出さないように努めたけれど、ものすごいショック…。

たぶん、アヅミの身体を変えた時に残留していた外の神の力が影響してしまったんでしょうね…。


…でも、この程度でくじける私ではありません。


記憶が失われたとしても、アヅミはアヅミです。

ならば、過去を思い嘆くのではなく新しく思い出を作ればいいだけのこと。

その過程でもしかしたら記憶も戻ってくれるかもしれません。


そうと決まれば、早速しゅっぱt…


…私、ここから離れてしまうと能力が…どうしましょう。

アヅミにさらなる不便を強いてしまうのでは…



…いえ、神の力はそこそこに、私自身がアヅミの役に立てるように努力しましょう。

アヅミは外に行くことを望んでいるのです。ならば、ここに留めるのは私としても本意になりません。


今後の目標は、私自身の魅力でアヅミともっと深い関係に至ること。


…ふふふ。アヅミ、私はあなたなしでは生きられません。そして、あなたもいつかは私がいなくては生きていけないようにして見せます。うふふふふ。




時間は永遠です。一緒にどこまでも行きましょう。どこまでも堕ちましょう。


私に見つかってしまったのがあなたの運の尽きなんです。



絶対に、絶対に幸せにして見せますからね。


キャラ紹介


リラ 性別:人格は女性

ブランカート-100005-DEM 開発名称:シンキ(神機、神姫)


ブランク人が開発した超常戦闘兵器ブランカート。その100005番目となる最終号。

侵略計画に行き詰まりを見せたブランク人が状況を打破するために開発を行った人工の“全能の神”。魔力を内部で変質させあらゆる現象を引き起こし、ブランク人が直面しているあらゆる問題に強引に解を出すための、正に“神”のような都合の良い存在を目指して開発が進められていた。彼女はその中枢である。


神がいない世界であるブランクの事実上の最高神。

弱い神格ではあるものの、全盛期はそれなりに何でもできた。

2000年後はものすごく弱体化しており、小さく軽いものを一日十数個作れる程度しかできなくなっている。


性格は基本温厚。アヅミに対して一途にものすごく重い好意を抱いている。ゆえに、彼女が関わることに対しては苛烈になる場合が多い。その一つとして、アヅミと永遠に生きるため一つの世界を滅ぼした。




安曇アヅミ ミドリ 性別:女性


現代の地球で土石流に巻き込まれ重体になる。

その際、偶然にも開いた異世界へのポータルに巻き込まれブランクに。


彼女の知識を抽出し、得た情報からリラが完成にこぎつけた。


ちなみに、人外になっても本人はあんまり気にしていない。

むしろ体調を崩すことも食料に困ることも無くなったので便利に思っている。

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