風に溶けて
風は今日も私を無視する
吹けば飛んでしまいそうな
そんな私を……
風に吹かれた体は
まるで浮遊するように
実感を奪われ
感覚を奪われ
ここにいない
そんな感覚を植え付ける
体をすり抜けて行く
この上なく虚しくなる風
私の内にあったものが
消えてしまった
空っぽになった感覚……
吹く風は冷たいのに暖かくて
なぜだかとても懐かしく感じた…
あぁこれが
『寂しい』
ということなのだろうか……
とても近くとても遠い…
ただ今だけは
ほんの少しだけ
あなたを感じていたい……
風に溶けて
またあなたと想いを重ねたい……