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8.溺れるほどに愛される後日談-未

扉がすぱーん!と開かれ、驚きのあまり飛び上がるかと思った。

おい昨日の忠告はどうした。


と思えば、そこからは入れないらしく、「入ってもいいかな、雛?」と首を傾げて来た。

「扉を開く前に声をかけていただけると嬉しいです。どうぞ」

聞いてもらえるかはわからないけど一応注意しておく。


この方わたしのこと踏みつけたり結構うっかりしてるからな。

「ありがとー、ねえ雛ってぼくたちのこと好きなんだよねー?」

突然なんぞ。


「そういうことになりましたね」

昨日のことを思い出してちょっぴり荒んだ気持ちになる。



ふわふわとお花を飛ばしながら喜んでいらっしゃるようだけど、"そういうことになった"だけでわたしの気持ちは二の次だ。

あとこの方そういえば普段はずっと目が開いていないそうなのだけど、わたしと会うときはそういう顔みないなあ。

それ見えてる?って一回聞いてみたいのに。



「ねえ、雛」

「はい、なんでしょう」

いまいちつかめないこの人に警戒しても仕方ないので結構素だ。

「今からぼくと気持ちいいことしよっか!」


はいアウト。

ふわふわの可愛い系なのに何言ってんだろうね。


本当象牙色の髪に、薄い金掛かった瞳がふわふわしていて可愛いんだよ。

いやもしかするとわたしの想像と違うかもしれないし聞いておこうか。


「念のためお聞きしますが気持ちいいこと、とはなんでしょうか」

「もちろんセッうわっ」

案の定なことを言いかけたようだが、突如槍が降ってきた。


何もないところから突然に。

なにこれ。


「ちぇ、そうだったなあ。」

残念そうに床に刺さった槍を抜くと、それをぽいっとどこかへ投げた。

わたしの目には消えてしまったようにしか見えないけれど。

呪術だね。


「ダメだって、残念。今度シようね?」

うふふと含み笑いをしつつ、わたしのことを横抱きにして寝具に降ろした。

「…ん?」


何故か素早い動きで羊王陛下は服を脱ぐと、下履き一枚になっている。

「え?むぐ」

声を上げようとしたら、しーっとジェスチャーをしながらわたしの口を塞いだ。


呪術で。


「!?!?」

目を白黒させていると、「あ、そうだ。ぼくのことは(ミン)って呼んでね。それしか言ったらだめだよ」

こく、と頷くと、口への圧迫感が消えた。

「旻さま、…!?」

なんのつもりですか、と言おうとしたのだ。


だが、"旻さま"以外の言葉は発することができない。

あ、『それしか言ったらだめだよ』に頷いたから!?



とんだトラップ!!



他の方々、一応わたしに遠慮してあんまり呪術とかでは縛ってこないのに、この方ばんばん使ってくるね!

本気で貞操の危機を感じたので、"眼力"を使う。

ぴたりと動きの止まった旻さまを"腕力"で突き飛ばし…たかったのに。


「!?」

びくともしねえ!

なんで?!鼠王陛下(カイさま)とかは吹き飛んだのに!!


あああ"防御"か!!それに近しい力が使えるのか!!

「ふふ、お転婆なんだね」

わたしの帯を解くと、両手を纏めて括られてしまった。


あれ、やばいね?

気づけば一番下の薄い衣一枚だったし、それにももう手を掛けられている。




「旻さま!!~~~~~!!旻さま!!!」

くそう名前しか呼べないな!!




もう覚悟を決めるしかないのか!?と絶望したタイミングで。

どん!と鈍い音がしたと思うと、上に乗っていた体重が消えた。

おそるおそるぎゅっと閉じた目を開くと、部屋の端まで吹き飛んだ旻さまが見える。


「え?なに…あ、話せる」

きょろ、と周りをみると、11本の腕が空間からにゅっとでている。


「わっ…!!」

気持ち悪!!

ホラーすぎる。


まあ王たちなのはわかるから「ありがとうございます。」と一応お礼を言っておく。

すると、代表者なのであろう竜王陛下(コウさま)の声が響く。


「雛、そやつは放っておいて構わん。來姫の部屋へ行け」

「わかりました!!」

不機嫌そうな声に、わたしに対して怒っているわけではないとわかっていても背筋が伸びる。



服も着ないまま隣の部屋へ続く扉をノックし、「來姫様、入ります!!」と宣言して戸を開けた。

緊急事態なので許してほしいな、と思ったら「聞いたわあ、本当あのクズ…」といい笑顔で出迎えられた。


今日はこのまま來姫様と過ごしていいらしいので、わたしはむしろ旻さまに感謝したい。



「いい、雛姫様。羊王陛下はああみえて油断ならないわあ。」

その言葉にぶんぶんと首を縦に振る。

「人の話をあまり聞かないのよお、でも理解はしてるわあ。厄介よねえ。だから、貴女に呪いを掛けるわあ」

首を傾げると、にこっと妖艶に微笑まれる。


「本当に無理だって思った時は、わたくしのところへ道が繋がるわあ」

「す、すごいです來姫様!!」

「ええ、わたくし呪術は得意なのよお。これでいつでも逃げてきていいわあ。あのクズ、許さないわあ」

うふふおほほと扇子をぱちぱちしながらお怒りの來姫様は正直怖いけれど美しくもあるし、このお怒りはわたしのためだってわかるからとても嬉しくなる。



「來姫様大好きです!!」

「当然よお、当分はわたくしのものよお」

來姫様もノリノリなのでわたしは幸せである。







毛色は違いますがよかったらこちらもお願いします。完結済みです。

『光の勇者は竜の姫と月の騎士に執着(あい)される』

https://ncode.syosetu.com/n6804fq/

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