REVERSE-裏面-
それは裏面――――――――――
「ねぇ兄貴。次は何やるの?」
茶髪の長髪を後ろの下で一本にまとめている少女が、そう言った。
見た目からして、17、8歳だろう。
「何?昨日仕事が終わったばっかりなのに、もう行くの?」
兄貴と呼ばれた黒髪で短髪の男は、軽い口調でそう訊いた。
年齢は、21、2歳だろう。
どうやらこの2人は、本当の兄妹のようだ。
「あったりまえじゃん!!あんな仕事簡単すぎるよ。で、次の仕事は?」
少女は目を輝かせながら、そう訊いた。
男は、はぁと軽く溜め息をついてから、パソコンを見た。
「美術館から1枚絵を盗ってくる依頼と、ある人の暗殺の依頼があるけど、どっちがいい?」
男は、右手にコーヒーの入ったマグカップを持ちながら、そう言った。
少女は、うーんと少し唸ってから、いつものと言った。
すると男は、はいはいと言って、コインを1枚取り出した。
“いつもの”とは、仕事の依頼が2つあるときは、コインの表と裏で決めるのだ。
男は左手でコインを上に弾き、右手の甲で、パンと受け止めた。
「どっちだと思う?」
訊いたところで、どうにかなるわけでもないのだが、男はあえて少女にそう訊いた。
少女は迷うことなく、「裏」と答えた。
男が乗せていた左手をどかすと、コインは裏面で、其処にあった。
「正解。」
男はニヤリと笑い、そう言った。
「それじゃあ、行きましょうかね。親父の暗殺に。」
軽々といった兄の言葉に、妹は先程よりも笑っていた。
〜後書き(という名の謝礼と謝罪と説明)〜
この度は、夜嵐水龍の作品を読んでいただき、誠にありがとうございました。
感謝です!(土下座)
誤字・脱字がたくさんあると思いますが、スルーしていただけると、嬉しいです。
REVERSEって言うのは、逆・裏返し・反対などという意味がありますが、私が今回使ったのは、裏面って言う意味です。
実は、コインなどの裏面って書いてあるんですが、私としては裏社会といった感じで書いてみました。
最近、このような激短編を書くのにハマっています。
友達に、肉付けすればもっと長くなるのに…と言われましたが、私としてはここまででいいと思っています。