魂の改造
さあ、村の子供の奴隷化に成功したので、次は大人を狙いに行こう。
(その前にちょっと待って下さい)
どうしたんだ。
(これまでに二十三人も魔法をかけたあなたなら今までよりも、精神魔法を自由に使いこなすことが出来るようになったと思います。ですので、少し試してみましょう)
自由にって言われてもな。具体的に何ができるようになるんだ?
(魂の解析が出来るようになり、再構築をする際の自由度が上がったはずです。例えば、奴隷の魔法の威力を高めることが出来ると思います)
ほう、それは物凄く有用じゃないか。
良し、やってみよう。
一人でいる奴を探していると、都合のいいことに宴会場の外で酔いつぶれている男を発見した。恐らく小便にでも行って帰りに倒れたのだろう。
これ幸いと倒れている男の肩に手を触れる。
...おお!確かにこいつの魂を感じることが出来るぞ。使える魔法は...火魔法か。しかし、いややはりと言うべきか威力はどうしようもないほど弱いな。100円ライターくらいか。
このままでは奴隷にしたところで使い物にならんな。
最初はこいつで魔法の強化を試すことに決めた。すぐに魂を複製し元の魂は壊しておく。
魂を破壊された男はまるで抜け殻になったように生気を失い、動かなくなった。
複製した魂に精神魔法をかけ、構造を変えていく。魂の振動を、より大きくするイメージで試してみよう。
そうすると、だんだんゆらゆらと揺れ動いていた魂がブンブンと大きな振幅をもって振動するようなイメージになった。
感じる力が強くなっている。どうやら上手くいったようだ。早速男に魂を埋め込んでやる。もちろん命令には従うようにしている。
埋め込み終わった所で、男に命令をする。
「では、試しに上空に向かって思いっきり火魔法を放ってみろ」
「はい。分かりました」
一応何が起こってもいいように50mほど離れておく。
男は空に手を掲げ、魔法を放つ準備をした。そして次の瞬間、
手から、巨大な炎の渦が出現した。
半径30m、高さ100mほどの大きさで、とてつもない火力をもった炎の渦は火の粉を撒き散らしながら燃え盛っている。
50m離れていても巻き込まれそうになったので奴隷を連れ、急いでもっと離れる。
男のすぐ側にあった宴会場はすべて燃やし尽くされてしまっていた。
およそ十秒ほど燃えていた炎は消滅し、周りには灰すらも残っていなかった。
酸素が供給され、空気が冷めたところで先ほどの場所へ向かうと、中心地で魂がぼろぼろになり死んでいる男の死体があった。