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魔法が発動しない理由

村の長と話をした結果、働く事を条件に二日泊めてもらう許可を得ることが出来た。

今日はゆっくり休んでいいと言われたのでお言葉に甘えることにする。寝床は物置き小屋だが、贅沢は言ってられないな。

ただ、一つ問題がある。俺の精神魔法が発動しなかった事だ。魔法が効かなかったのではなく、そもそも魔法が使えなかったのだ。

物置き小屋に入ってゆっくり考えるが理由は全く分からない。


「なあ、お前なら何か知っているんじゃないか?教えてくれよ」

(そうですね...一つ考えられるとすれば、魂の拒否反応でしょうか。恐らく、あなたは人の魂を破壊する事に倫理的抵抗があるのではないですか?一種の殺人ですしね)

「うーん、そうかも知れない。日本では殺人は絶対にしてはいけない事とされていたし、身近なものではなかったからな。しかしだ、お前には発動したじゃないか」

(私に効いたのは恐らく、殺されるかもしれないという極限状態、さらに魔法についての説明を受けていなかったのが原因でしょう)

「なるほど、まあ、理にかなってはいるな。...そうなると困ったな、毎回殺されかけるという訳にもいかないだろう」

(簡単な事ですよ、殺してはならないという倫理観を壊せばいいんです)

「簡単に言ってくれるな、何かいい方法があるのか?」

(ええ、人を一人殺せばいいんですよ)

「...確かに、一回殺してしまえばその後精神魔法を使う事に抵抗は無くなるかもな。だが、リスクもあるだろう?」

(どういったものでしょうか)

「今まで平和に生きていたものが、いざ人を殺した時とてつもない罪悪感に襲われるというのはよく聞く話だ。そうなると倫理観が壊れるどころか、更に強くなる可能性があるだろう」

(それは無いと思います)

「どうしてだ?」

(精神魔法が魂に適合したという事は、資質があるという事なんです。仮に無ければ、受け取った時点で魂が拒否反応を起こし、崩壊していたでしょう。なので、少し枷を外してやれば、自由に使えるようになると思います)

「ううむ、まあいいか、このままじゃ何も解決しないしな、試してみよう。

じゃあ明日の夜、皆が寝静まった頃、寝ている子供を一人絞め殺す事にしよう」

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