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女神様は頭が良かった

(さて、下界に着きましたよ)

「見たところ何もない平原っぽいんだがなんでここにしたんだ?」

(ここはフォード平原という所です。ここで取れるウサギがとても美味しいのでここを転移地点にしているんです)

「ふーん。さて、無事に着いた訳だが、これからどうしようかな」

(近くに農村があるのでまずはそこへ行ってみませんか?)

「いいな。じゃあそうしよう、ここから歩いてどれくらいかかるんだ?」

(1時間くらいです)

「思ったより近いんだな。なあ、今思ったんだがお前は精神体しか下界に来れないんだろ?どうやってウサギを食べているんだ?」

(私ではなくウサギの方を神界に持ってくるんですよ。ウサギが転移地点に来たら転移させるんです。釣りみたいなものですね)

「確かに釣りみたいだな」


それから俺は1時間ほど農村に向かって歩いていった。途中、ウサギにも精神魔法が通じるのか試して見たのだが失敗した。女神が言うには、


(動物には魂がないので使えませんよ)


との事だ。よって動物は魔法も使えないらしい。魂を持った動物、魔物もいるというので今度は魔物で試してみよう。

そうしているうちに農村が見えてきた。とても小さな村で原始的な生活を送っているようだ。


「このまま村に入って受け入れてくれるものかな?」

(恐らく大丈夫でしょう。武器も持っていないですし。ただこの世界での名前は決めた方がいいと思いますよ。地球の名前では怪しまれます。)

「村にはよそ者を受け入れない閉鎖的なイメージを抱いていたが、案外そうでもないんだな。名前か、どんなのがいいだろうか?」

(特に怪しまれない名前でしたら、フールなんてどうでしょうか)

「怪しまれなければ名前なんてなんでもいいさ。フールに決定だ」


...さて、村に着いたな。門番がいるから事情を説明して村に入れてもらえるよう話をしてみよう。


「お願いです、2、3日この村に泊めていただきたいのです」

「何故だ」

「実はここに来るまでに盗賊に持ち物を全て取られてしまって。あるのは今着ている服のみなのです」

「なるほど、事情は分かった。しかし、長に確認を取らなければいけないのでな、まずはお前の魔法を見せてくれ」

「魔法ですか?」

「そりゃお前...万が一危険な魔法だったら入れる訳にはいかないからな。身分証明に魔法の確認は基本事項だろう。何、そう変な魔法じゃなければ大丈夫さ」


しまった。それは考えてなかった。ここで、精神魔法です、なんて言ったら入れてくれないんだろうな。

(それどころか殺されますよ)

だよなあ。まずいなこれは。

なあ、この世界って口笛とかある?

(ありますよ)

指パッチンとかは...

(馬鹿にしてるんですか?)

ダメか。


「おい、どうした。出来ないのか」


くそっ。こうなったらヤケだ。


「僕の魔法は身体魔法です。一時的に脳の機能を上昇することが出来ます」


これでこの世界の人より俺の方が頭が悪かったら終わったな、まあしょうがないか。


「ふむ、なるほど、では問題を出そう。掛け算の問題だ、5478×2634は?」

「集中します。...はっ!答えは14429052です」

「少し待て。

...正解だ。一応、信じることにしよう。では長に会わせてやる。一緒に来い」

「ありがとうございます!」


ふーー。上手くいった。いやー、4桁の掛け算とか楽勝楽勝。



嘘です。女神様にやってもらいました。



お前って頭良かったんだな。

(神なので)

そうか、神だからか。まあ何でもいいか。

何にせよ上手くいって良かった良かった。

あ、そうだ。ついでに門番に触って仲間にしておこう。

そう思い、手を差し出しながら、


「門番さんのおかげで助かりました。ありがとうございました」

「俺は村のルールに従っただけで感謝される覚えはない。それに、まだ入れるとは決まっていないのだからな」


と言い握手を交わした。

よし、これで魔法が発動し、仲間になった

筈だ。


「よし、では早速長のところへ行くぞ」




あれ?発動していない!?

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